△上野ー札幌を結ぶ寝台特急「カシオペア」
北海道新幹線の開通を見込んで、2015年8月に寝台特急「北斗星」の定期運航を廃止することが2014年に発表されました。
寝台特急「カシオペア」についてはまだ正式に発表されていませんが、北海道新幹線のダイヤの問題などを考えると、存続は厳しいのではないかという声が少なくありません。
そんななか、1月13日に、寝台特急「カシオペア」「北斗星」が走る北海道、青森県、岩手県の3道県が、JR北海道に対し、両列車の存続を要請したことが発表されました。
北海道はじめ3道県は、寝台特急「カシオペア」、「北斗星」が通過する第三セクターの通行収入が2割減少することを問題視。両列車の存続を求めました。
ここ10数年で全国的に寝台特急は、新幹線や高速バスとの競争に敗れ次々と廃止されてきました。移動に時間がかかる上、値段も安くなく老朽化している車両が多い。そんな寝台特急は無用の長物だと判断されてきたのです。
しかし、東京上野と北海道の札幌を結ぶ「カシオペア」や「北斗星」の人気は未だ根強いものがあります。
個人的にも、寝台特急「カシオペア」「北斗星」は仮に収益にならなくても、存続の方向に進めるべきだと考えています。
なぜなら、寝台鉄道は単なる移動手段としてではなく、「旅のロマンを生みだす列車」と考えることができると思うからです。
なかなか目的地につかない。それが良いと思うのです。
△2015年8月で廃止が決定されている寝台特急「北斗星」
車窓に流れゆく風景をゆっくり楽しみ、食堂車で夕陽が落ちるのを見ながら地域の味覚を味わい、乗客同士で旅の会話を楽しむ・・。
そんな寝台特急でしか味わえないような魅力がいろいろあると思うのです。
確かに新幹線はスピードがあり最新設備を備え快適かもしれません。しかし、無機質で車窓風景を楽しむ間もなく目的地に到着してしまいます。
効率を考えると新幹線に断然軍配が上がるでしょう。しかし、寝台特急が生みだしてきた「旅のロマン」をつくりだせるかというと疑問に感じます。
とはいえ、老朽化車両のメンテナンスの問題、ダイヤの問題、乗客数の問題など寝台特急存続はコストが見合うかという現実的な問題もあります。
それらの問題を何とかクリアし、うまく寝台特急「カシオペア」「北斗星」の存続の判断がなされることを願うばかりです。
JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。