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△「猫駅長たま」をテーマにした和歌山電鐵のたま電車

和歌山県の和歌山駅と貴志駅を結ぶ和歌山電鐵は、「たま電車」「おもちゃ電車」などユニークな電車を走らせているローカル鉄道です。
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和歌山電鐵のユニークさは電車車両だけにとどまりません。なんと、終着駅にあたる貴志駅では、三毛猫の駅長「たま」が公務にあたっているのです。

駅舎の一角にはちいさな駅長室があり、猫の駅長「たま」は起きているときは、制帽をかぶって愛らしい姿で観光客たちを楽しませています。
貴志駅は昭和8年(1933年)に和歌山鉄道の駅として開業。以降、昭和36年(1961年)に
南海電鉄貴志川線の駅に移管されました。

あるときから、貴志川駅の近くにあった猫小屋では、三毛猫が飼われていていて、地元の人々にかわいがられていました。

しかし、南海電鉄貴志川線が赤字で廃線の危機に陥り、平成18年(2006年)和歌山電鐵が南海電鉄貴志川線の路線を引き継ぎをしたときに市から猫小屋の撤去が求められます。

というのは、その猫小屋のあった土地は、南海電鉄が手放した時点で、南海電鉄の社用地から紀の川市の公有地に移管されたからです。

猫の飼い主である駅売店の小山商店店主は、困り果て、駅で猫をなんとか飼えないか和歌山電鐵の小嶋光信社長に相談。

小嶋社長はその三毛猫を助けてあげたいと思案し、誰もが予想もしなかった案を考えたのでした。

それは、その三毛猫「たま」を、貴志駅駅長にするという案ででした。

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△無人駅であった和歌山電鐵貴志駅は、猫駅長が公務をつとめることが決定

誰もが驚き、当然のことながら戸惑う者も少なくなかったものの、翌年、三毛猫「たま」は、和歌山電鐵貴志駅の駅長に就任。
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全国で初めて、猫の駅長が誕生した瞬間でした。雇用条件は、終身雇用で報酬は年棒としてキャットフード1年分と定めました。
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△お昼寝中のたま駅長。お昼寝も重要な公務のひとつ

猫が駅長をつとめている駅があるということは、たちまち全国的な話題になりました。

テレビ、新聞、雑誌などで猫駅長たまのことが紹介され、全国のみならず海外からも、和歌山鉄道に乗って観光客が訪れるようになりました。

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△たま駅長をひと目見ようと、国内外からの観光客が絶えない貴志駅

ちなみに三毛猫たまが貴志駅の駅長に就任した直後の一か月で貴志駅の乗降客数は17%増加。

その年に和歌山県に与えた経済波及効果は11億円と試算されるほどの数値をたたき出しました。

和歌山電鐵小嶋社長の著書
『日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生』
 日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生/小嶋光信【後払いOK】【2500円以...

猫駅長たまは、就任1周年となる2008年1月に「スーパー駅長」(和歌山電鐵の課長職相当)に昇進。

そして、2014年1月には「ウルトラ駅長」(和歌山電鐵の全駅を統括する駅長)に昇進しました。

2015年現在は、伊太祁曽駅の猫駅長兼貴志駅長代行ニタマとともに、国内外からやってくる観光客をその愛くるしい姿で出迎えています。(たま駅長とニタマ駅長の勤務予定日・時間はこちら

猫駅長「たま」が公務にあたる和歌山電鐵の終着駅貴志駅は、平成22年(2010年)に、旧駅舎は老朽化のために一旦解体。

新駅舎「たまステーション」として建て直されました。

「たまステーション」のデザインは、「たま電車」ほかデザインした水戸岡鋭治氏の構想によるもので、その外観はなんと、猫の顔をイメージしたつくりになっています。

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△テーマは「エコでネコロジー」屋根が猫の顔の形をした和歌山電鐵の終点 貴志駅の駅舎

そのテーマは「エコでネコロジー」。

駅舎には猫をモチーフにした飾りが随所に施されているほか、和歌山産の木材が用いられ、屋根は伝統的な檜皮葺の構えになっています。

また、ホーム上には、ねこ神社、いちご神社、おもちゃ神社と、かわいらしい神社と祠もあります。

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△貴志駅のホーム上には、いちご神社、ねこ神社、おもちゃ神社がある

貴志駅構内には、イチゴやみかんなど地元産のフルーツをつかったジェラートなどが味わえる「たまカフェ」(毎月水曜日休み)や「たま駅長」のグッズなどを豊富にそろえた土産屋 小山商店もあり、買い物も楽しむことができます。

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△和歌山電鐵の終点 貴志駅の一角にある「たまカフェ」

貴志駅へは、JR和歌山駅構内9番ホーム(和歌山電鐵専用ホーム)より発着している和歌山電鐵の電車で約34分(和歌山電鐵の時刻表はこちら)。和歌山〜貴志間は、大人片道370円で、1日乗り放題の乗車券(大人720円)がオトクです。宿泊するなら、和歌山アーバンホテルほか、JR和歌山駅周辺の宿が便利。

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JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。

井上晴雄 絵画作品集〜心を癒す日本の旅風景〜