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▲熊本〜人吉間を結ぶJR九州の人気観光蒸気機関車「SL人吉」

「SL人吉」は熊本駅と人吉駅間を、JR鹿児島本線とJR肥薩線経由で結ぶJR九州の蒸気機関車です。3月下旬から11月下旬の金土日祝および夏休み期間を中心に、1日一往復のペースで運行されています(※運転日注意)。

車両の特徴

JR九州の「SL人吉」は機関車の後ろに客車三両が連結されており、全車指定席。乗車には事前に座席指定券を購入しておく必要があります。客車は蒸気機関車が活躍していた昭和初期を再現しながらも、冷房や自動ドアが備わっているなど現代風に改造されている部分もあり乗車の快適さも考慮されています。

デザインは豪華列車「ななつ星」や「或る列車」などのデザインで知られる水戸岡鋭治氏が担当。内装は木材を多用したレトロ感あふれる雰囲気に仕上がっています。座席は、クラシカルな4人掛けボックスシートと2人掛けシートの2種類。モケットには本革(黒、ワインレッドや布(グリーン・ブラウン)が使われていて高級感が漂っています。1号車および3号車の先頭部分は展望ラウンジになっています。展望ラウンジは大きく切り取られた窓からの採光がよく、ローズウッドに囲まれた明るいスペース。4種類のベンチが設けられパノラマビューを楽しむことができるようになっています。
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▲「SL人吉」客車の先頭部分に設けられた展望ラウンジ

JR九州の「SL人吉」は車内には、ミニSLライブラリーやコレクションコーナーもあり。2号車のビュッフェでは、カウンターで軽食やオリジナルグッズを購入することができるようになっています。また、車内では記念撮影用に乗務員用帽子の貸し出しが行われたり、記念乗車証が配布されたりと乗客にうれしいさまざまなサービスが用意されているのも楽しみ。

車窓の見どころ
JR九州の「SL人吉」は、高らかな汽笛を響かせて熊本駅を出発。熊本の市街地を過ぎると広大な八代平野を、煙を噴き上げらせながら力強く駆け抜けていきます。八代駅からはJR鹿児島本線から分岐するJR肥薩本線へ入り、球磨川に沿う渓谷沿いに走っていきます。
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▲JR肥薩線の車窓に展開する球磨川の流れ

急峻な渓谷にエメラルドグリーンの球磨川の流れが、八代駅〜鎌瀬間には右車窓に、第一熊川橋梁で球磨川を渡ってから渡までは左車窓に展開。自然の雄大さと美しさを感じさせる絶景区間です。停車駅のひとつである一勝地駅は駅名が縁起が良いということから縁起切符で人気の駅。駅から20分ほど歩けば一軒宿の一勝地温泉も湧きます。球磨川下り乗船場の最寄り駅である渡駅を出ると、再び球磨川の流れは右車窓へ。川が遠ざかり街並みが広がってくるとJR九州の「SL人吉」は終点の人吉駅に到着します。熊本駅〜人吉駅間の所要時間は約2時間30分です。
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▲JR人吉駅構内にある人吉機関庫

人吉駅構内には近代化産業遺跡群に指定された人吉機関庫や転車台もあり。人吉機関庫は明治44年につくられた3連アーチの石造機関庫で味わいがあります。人吉は「熊本の小京都」といわれる城下町。人吉城跡や醤油蔵など歴史を感じさせる遺構が残る街並みを歩くのもおススメ。また、人吉市内には人吉温泉が湧き、昔ながらの共同浴場や温泉宿が点在しています。歴史ある温泉宿も多く、「人吉温泉 人吉旅館」、「人吉温泉 芳野旅館」など国登録有形文化財の温泉宿もあり。人吉市内の観光情報の収集は、人吉駅構内に入っている人吉市観光案内所が便利です。

JR九州「SL人吉」DATA
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(運行期間)2017年度は3月18日〜11月19日までの金・土・日・祝日および夏休み期間
※運行日や列車時刻表は年によって変わることがあります。詳細はJR九州のHPをご参照ください

(時刻表)※2017年8月時点の情報です。
下り:熊本駅9:45発、新八代駅10:25発、八代駅(10:30着 10:36発)、坂本駅(10:50着 10:51発)、白石駅(11:18着 11:23発)、一勝地駅(11:38着 11:48発)、渡駅(11:58発)、人吉駅(12:09着)
9:45発、

上り:人吉駅14:38発、渡駅14:48発、一勝地駅(14:57着、15:07発)白石駅(15:22着 15:30発)、坂本駅(15:57着 16:08発)、八代駅(16:23着 16:25発)、新八代駅16:30着、熊本駅17:14着

(料金)乗車券 + 座席指定券(大人820円・子ども410円)
※ 熊本〜人吉間(片道・普通車指定席)に乗車した場合
:大人2640円(乗車券1820円+座席指定券820円)、子供1320円(乗車券910円+座席指定券410円)

(予約方法)JR九州の「SL人吉」は全車指定席。乗車には事前に座席指定券を購入しておく必要があります。座席指定券はJRの「みどりの窓口」、JRサイバーステーション(WEB)、JTBほか主要旅行会社などで購入することができます。

(車内販売)駅弁おごっつお弁当、焼酎アイス、オリジナル鉄道グッズほか
(ホームで販売)SL人吉の停車に合わせて地元の特産品(球磨焼酎、ゆずようかん、棚田米など)の販売あり

鉄道をつかった旅にはさまざまな魅力があります

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JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。

井上晴雄 絵画作品集〜心を癒す日本の旅風景〜

JR特急電車や新幹線を使った列車旅はスピードと快適さが魅力です。ゆったりとしたリクライニングシートに腰かけて楽な姿勢を取りながら、静かで優雅な旅を楽しめることでしょう。停車駅も少なく、次々と車窓風景が変わっていきます。足早に目的地に到着し観光やビジネスに時間をたっぷりとれるというのも、JR特急列車や新幹線を利用するメリットです。一方、鈍行列車を使った列車旅にはまた違った趣があります。レールの軋みに合せてゆっくり車窓風景が展開していきます。小まめに停車する駅では沿線の学生やサラリーマンたちが乗り降りし、会話が聞こえてきます。そこには地域の文化をや気質が見え隠れしてそこにも面白さがあります。
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鉄道を使った旅には、目的地にたどり着く交通手段としてだけではなく、地域の人々や四季の風物を味わえる物語が展開しているような気がします。