
△2015年3月で定期運行が廃止となる寝台特急「北斗星」(上野駅にて)
鉄道旅行を楽しむ者にとってまた淋しいニュースが飛び込んできました。
上野〜札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」が2015年3月のダイヤ改正を機に定期運行を廃止することが明らかになりました。
寝台特急北斗星の廃止理由は、車両の老朽化及び、2016年春の北海道新幹線開業でダイヤ調整が困難になるからだとされています。
それにしても寂しいですね。
寝台特急北斗星は1988年に青函トンネルが開通したときを機に運行しはじめました。
今でこそ古びた印象を与える車両ですが、当時としてはJR一の豪華寝台特急として注目を集めました。
寝台特急北斗星には、さまざまなタイプの部屋が設置されています。
ひとり用A寝台「ロイヤル」4室、2人用寝台「ツインデラックス」8室、2段式B寝台「Bコンバート」「デュエット」です。
そして、食堂車ではフレンチや懐石料理を味わうことができました。
北海道方面に行く寝台列車といえば、既に廃止が決定しているトワイライトエクスプレス(大阪→札幌)につづく廃止決定ということになります。
時代の流れとともに、新幹線、高速バス、飛行機などさまざまな交通手段が身近な存在になりました。
遅くて料金が割高である寝台特急の乗客数は年々減少し、ここ10数年で全国で寝台特急の廃止が相次ぎました。
ただ、寝台特急の旅は、大変味わい深いもの。レールを軋む音や汽笛に耳を傾け、車窓に流れる風景を眺めて過ごす時間は、人生とリンクするロマンに満ちたものです。
そんなこともあってか、旅行会社などでは、寝台特急を利用したツアーを売り出せば今でも大人気ですぐに完売してしまうといいます。
それだけまだまだ寝台特急の需要はあると思われるだけに、廃止というのは惜しいことだなと思います。
ただ、ちなみに、JRは寝台特急北斗星を夏休みなどに臨時列車として運行する可能性はあるとしています。
2015年はまだしも、2016年北海道新幹線開通後はその可能性は更に低くなると思われますが、「ロマンを感じる移動旅の手段」として、寝台特急北斗星はできるだけ長く走らせて欲しいなと思います。
(寝台特急北斗星の停車駅)(上野→札幌)
上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台、函館、森、八雲、長万部、洞爺、伊達紋別、東室蘭、登別、苫小牧、南千歳、札幌 ※上野〜札幌の所要時間:17時間12分