岡山県の美作地方と鳥取県を結ぶJR因美線。その沿線に美作滝尾駅という、昭和3年に立てられた小さな木造の駅舎があります。
JR美作滝尾駅は、平屋建ての駅で屋根は瓦葺き。
改札口や駅事務室、宿直室、待合室など木製で、長い年月をかけて使い古された木の質感が伝わってきます。
国鉄因美線時代の原型をとどめていることや、昭和初期の標準的な小規模駅舎であることなどが評価され、2008年にJR美作滝尾駅は、登録有形財に認定されました。
JR美作滝尾駅の背景には中国山地の山並みが連なり、周囲には田園も広がっています。
そんな豊かな自然に囲まれていることもさらにレトロな駅舎の雰囲気を高めてくれます。
そんなJR美作滝尾駅は映画「男はつらいよ」(山田洋二監督 渥美清主演)のロケ地ともなったこともあります。
それは同シリーズの最終作となった映画『男はつらいよ 寅次郎紅の花 [ 渥美清 ]』の冒頭シーン。
駅員が駅の事務室で新聞を読んでいると、そのなかに、寅次郎の尋ね人広告が掲載されていました。
そのとき、駅の窓口に寅次郎がやってきました。そして勝山までの切符を2枚購入するのでした・・
…そんな映画のワンシーンに登場するのがJR美作滝尾駅です。映しだされる木造の机や椅子も美作滝尾駅の事務室のもの。
ちなみに無事にロケが終了した後、JR美作滝尾駅の駅前には、映画「男はつらいよ」の撮影記念碑も立てられました。
しかし、待合室に設けられている木造の長椅子に座布団が敷かれていたり、生花が生けられていたりするなど、不思議と人のぬくもりを感じさせる駅なのです。
それは、地元の住民さんたちがJR美作滝尾駅の保存活動を行っているからです。
(地図)美作滝尾駅の場所(岡山県津山市)
(美作滝尾駅の時刻表)時刻表
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美作滝尾駅は掃除も行き届いていて、その古き良き時代の風景を大切に守っている人々の気持ちもじかに伝わってくる駅でした。