△宇奈月温泉の場所(富山県黒部市宇奈月温泉)
3000m級の立山連峰に囲まれた富山県には、さまざまな観光名所や温泉地があります。
北陸新幹線が2015年3月14日に開通し、東京ー富山・金沢が結ばれました。そのことにより東京から行きやすくなった温泉地のひとつに宇奈月温泉があります
宇奈月温泉は黒部峡谷のちょうど玄関口に湧く温泉。渓谷の豊かな自然に囲まれて湧く透明度の高い湯や、温泉宿の膳をにぎわせる海山の幸が魅力。
では、北陸新幹線を使って宇奈月温泉に行くには一体、どのように行けばよいのでしょうか?今回は、東京〜宇奈月温泉の交通手段についてまとめてみました。
<東京〜宇奈月温泉へは、北陸新幹線はくたか号+富山地鉄で>
△北陸新幹線の車両(E7系)
北陸新幹線は長野新幹線(東京ー長野)を富山・金沢方面にさらに延伸したものです。
長野より北上し、飯山、上越妙高と過ぎてからは西に方向を変え日本海側を進んでいきます。
東京から宇奈月温泉に行くためには、まず北陸新幹線で、富山駅の手前にある、黒部宇奈月温泉駅まで移動することになります。
注意点として、黒部宇奈月温泉駅には、北陸新幹線の速達列車「かがやき号」停まりません。
それよりも停車駅の多い「はくたか号」が停車するので、東京駅から「はくたか号」に乗車しておくのがよさそうです。
北陸新幹線の「はくたか号」は、1時間に1本ほどのダイヤが組まれており 東京駅〜黒部宇奈月温泉間を最短で2時間14分で結びます(北陸新幹線 東京⇔黒部宇奈月温泉 「はくたか号」のダイヤ)
「黒部宇奈月温泉」という「温泉」を冠した駅名から想像するに、駅を出たら宇奈月温泉か?と思いきや、そうではありません。
宇奈月温泉へ行くには、黒部宇奈月温泉駅で富山地方鉄道本線(富山地鉄)に乗り換える必要があります。
△宇奈月温泉の最寄り駅、富山地鉄の宇奈月温泉駅(写真:富山市提供)
北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅(東口)を出て、2分ほど歩いたところにある富山地方鉄道本線(富山地鉄)の「新黒部駅」があります。
「新黒部駅」から、富山地鉄の宇奈月温泉行に乗車して終点の宇奈月温泉へ。宇奈月温泉駅は新黒部駅から10駅目で所要時間は約20分です。
△電鉄富山〜宇奈月温泉間を結ぶ富山地鉄の電車
宇奈月温泉駅に到着すれば、そこは宇奈月温泉の中心地。
宇奈月温泉の温泉宿が黒部峡谷の緑のなかに連なっています。黒部川に沿い「宇奈月温泉 宇奈月グランドホテル」ほか、近代的な大型温泉宿が中心に立ち並んでいます。
<宇奈月温泉の魅力>
△宇奈月温泉の温泉街(写真:富山市提供)
宇奈月温泉は大正12年(1923年)に開湯した比較的新しい温泉。
宇奈月温泉の湯は、日本有数の透明度を誇るやわらかい湯。泉質はアルカリ性単純泉です。
1日に3000リットルが湧出し湯量も豊富。リウマチや神経痛などに効き目があるとされ体の芯からあたたまります
(宿泊情報)宇奈月温泉の人気温泉宿一覧はこちら
宇奈月温泉の温泉宿では、各宿の膳をにぎわせる海山の幸も魅力。
宇奈月温泉は山峡の地にありながらも、距離的に日本海に近いだけに、富山湾の魚介類が多く仕入れられます。
山菜など山の幸と富山湾で水揚げされた新鮮な海の幸のハーモニーは味わい深いものがあります。
△富山名物のヤリイカ(写真:富山市提供)※写真はイメージです
湯上りに、黒部川に沿う宇奈月谷親水遊歩道を歩くのも心地よいひととき。清流が流れ、川沿いには春になると桜も咲き乱れます。
あるいは、宇奈月温泉の界隈にには遊歩道も整備されているだけに赤色が特徴的な「山彦橋」を眺め、1kmほど歩いた宇奈月ダム付近まで歩いてみるのも良いかもしれません。
△緑に囲まれた宇奈月ダム(写真:富山市提供)
<黒部峡谷の探勝は、黒部峡谷トロッコ電車がおススメ ※季節限定運行>
△宇奈月〜欅平を結ぶ、黒部峡谷トロッコ電車※季節限定の運行(写真:富山市提供)
ちなみに、東京駅から始発の北陸新幹線はくたか551号に乗れば、黒部宇奈月温泉駅に到着するのは9:00.その次の列車(東京7:52発)では10:11に到着します。
午前中に宇奈月温泉に到着して時間を持て余す場合、さらに黒部峡谷の奥地を観光してみるのもよいかもしれません。
黒部峡谷の奥地に旅人を導いてくれるのは、黒部峡谷トロッコ電車です。
残念ながら冬の間は運行しておらず、新緑がはじまる時期〜紅葉の終わりの時期のみ運行しています
(例年は4月下旬〜11月末に運行。運行状況詳細は、黒部トロッコ電車のHPをご参照ください)
黒部峡谷トロッコ電車は、富山地鉄宇奈月温泉駅から徒歩3分ほどにある宇奈月駅から発着しています。
黒部峡谷トロッコ電車はかつて、黒部川の電源開発用資材を運ぶ目的で敷設された鉄道。
宇奈月駅〜欅平駅までの全長約20kmを、21の橋と40のトンネルをくぐりながら、黒部川に沿ってゆっくりと走っていきます。
一般車両には窓がなく、風や自然の息吹を感じながら間近に黒部峡谷の様子を堪能することができます。
途中下車できる鐘釣駅と黒薙駅では、河原に露天風呂が湧いているなど秘湯のムードを味わうことも。
<生地(いくじ)の漁師町、魚津市の蜃気楼>
△重層な黒い屋根が特徴的な生地のまちなみ(写真:富山市提供)
なお、黒部峡谷鉄道トロッコ列車が運行していない時期は、富山地鉄宇奈月温泉駅から、バスに乗って、生地(いくじ)のまちなみを鑑賞するのもいいかもしれません。
生地は未来へ伝える「にほんの里」として選定されたまち。まちのいたるところで清水が湧出し人々の生活をうるおしています。漁師町のたたずまいにも特徴があり。
あるいは3月下旬〜6月初旬なら、富山地鉄で戻る形となりますが、魚津市内の富山湾にのぞむ海岸に蜃気楼(しんきろう)が鑑賞しにいってみるのもよいかもしれません。
蜃気楼は、光が大気中で屈折して、虚像が見える不思議な現象。蜃気楼が見えるスポットとなる富山県魚津市の海岸には新魚津からバス(徒歩の場合20分ほど)。
気温や天気など条件が合った晴れた日に蜃気楼は見えます。(魚津市の蜃気楼出現予測はこちら)
△魚津市内の海岸にて、富山湾にあらわれる蜃気楼(しんきろう)(写真:富山市提供)
北陸新幹線の開業により、北陸への移動時間が大幅に短縮されたことで、富山への旅行もいろいろな可能性が生まれることになりそう。
とりわけ、今まで行きにくいとされてきた黒部峡谷への観光は、さまざま観光スポットや温泉地と組み合わせてますますゆったり楽しめることになりそうです。