△地元で獲れた鮮魚や民芸品など販売する露店が連なる「輪島の朝市」(写真提供:石川県観光連盟)
北陸新幹線が2015年3月14日に富山・金沢に延伸開業したことで、北陸が一気に近くなりました。
能登半島の北端にあるまち輪島も首都圏からのアクセスが便利になったまちのひとつ。
輪島といえば、2015年のNHK連続テレビ小説「まれ」(※)の舞台になることでも話題になりました。北陸新幹線に乗って改めてNHK朝ドラ「まれ」の舞台である能登半島行ってみたいと思う方も増えてくるに違いありません。
※NHK連続テレビ小説「まれ」:2015年3月30日(月)〜9月26日(土)(全156回)放送
(地図)
△2015年NHK連続テレビ小説「まれ」の舞台、輪島の場所
NHK朝ドラ「まれ」のロケの多くは能登半島で行われたそうです。東京から輪島までの交通アクセスの前に、NHK朝ドラ「まれ」のあらすじについてNHK「まれ」公式ホームページをもとに以下、簡単にまとめてみまし
<2015年のNHK朝ドラ「まれ」のあらすじ>
NHK朝ドラ「まれ」のヒロインは、土屋太鳳さん演じる津村希(つむらまれ)。希(まれ)は、希望の「希」の意で、そのストーリーは「夢」や「希望」をテーマに展開していきます。
大きな夢を抱き、都会でひと山当ててやろうとする大泉洋さん演じる希(まれ)の父親。しかし事業に失敗してしまい、希(まれ)の家族は破産寸前で能登の漁師町に引っ越しをすることに。
しかし、希(まれ)の父親はその夢を捨てきれず、能登でも一旗揚げてやろうと事業に挑戦。
しかし、再び失敗してしまいます。一方の常盤貴子さん演じる希(まれ)の母親は堅実な性格。女手ながら、能登の塩田で力作業をしたり農業をしたりして、夫の損失を埋めようと地道に手堅い仕事をつづけます。
そんな両親の姿を見て育った希(まれ)は、高校卒業後、輪島市役所に就職することになります。
それは、苦しい家計を助けるために公務員になって安定したくらしを手に入れ両親を楽にさせたいという思いからの仕事選びでした。しかし、輪島市役所で働いているうちに、その心境には変化が訪れます。
輪島市役所では希(まれ)は、都会から能登に夢を持ち移住してきた人々の世話をする業務を担当します。
そこには目を輝かせて輪島に移住したいと語る人々が次々とやってきました。彼らと接する日々のなかで、希(まれ)は、自身がかつてケーキ職人になりたいという夢を抱いていたことを思い出します。
希(まれ)の「ケーキ職人になりたい」という思いは日に日に高まっていきました。
そして自分の夢をどうしても捨てられず、家族の反対を押し切り、ついに輪島市役所を退職。フランス帰りのカリスマシェフが営む、横浜の洋菓子店で修行をするために家を出ます。
「世界一のケーキ職人になる!」そんな夢を胸に横浜の洋菓子店で修業をはじめた希(まれ)。しかし、そこにはさまざまな試練が待ち構えているのでした。
人間同士のトラブル、結婚との両立の難しさ、競争の激しいコンクールなど・・しかし希(まれ)は、めげず、それらの試練を乗り越え成長をしていきます。
そして、ついに能登に戻って自分の洋菓子店を開く日がやってくるのでした・・
<東京〜輪島へ公共の交通機関(電車とバス)で移動する方法>
@東京〜金沢駅は北陸新幹線「かがやき」で最短2時間28分
△北陸新幹線のW7系車両。速達列車が「かがやき」停車駅が多いものが「はくたか」、富山ー金沢のシャトル列車が「つるぎ」
NHK朝ドラ「まれ」の舞台、輪島に東京から行くには、まず、北陸新幹線で金沢まで移動します。
北陸新幹線の速達列車「かがやき」に乗れば東京〜金沢の所要時間は、最短2時間28分。ちなみに、東京駅6:16発金沢行の始発列車にあたる「かがやき501号」に乗れば、終点の金沢駅には、8:46に到着します。
△北陸新幹線の普通車両。全席に電源コンセントが設置
A金沢駅〜七尾・和倉温泉駅間には「特急能登かがり火号」も運行/名湯 和倉温泉について
金沢駅からは、在来線に乗り換え、IRいしかわ鉄道、JR七尾線、のと鉄道を乗り継いで穴水駅まで移動します。
・IRいしかわ鉄道(金沢〜津幡)
・JR七尾線(津幡〜七尾)
・のと鉄道(七尾〜和倉温泉〜穴水)
上記のように区間は分かれていますが、IRいしかわ鉄道はJR北陸線から分かれた第三セクター鉄道でJR七尾線とは一本のレールでつながっており、金沢駅から七尾駅間はほとんどの列車が直通運転をしています。
なお、金沢〜七尾・和倉温泉間には、特急列車(特急能登かがり火号、特急サンダーバード号)も運行しています。
「特急能登かがり火号」は金沢〜和倉温泉間を1日5往復、「特急サンダーバード号」は、大阪〜和倉温泉間を1日1往復運転しています。
普通列車の場合、金沢〜七尾間は約1時間30分かかりますが、特急列車の場合、金沢〜七尾間の所要時間は約60分とずいぶん短縮されます。
△北陸新幹線の開業に合わせ、新たに誕生した「特急能登かがり火号」。金沢ー和倉温泉を約1時間で結ぶ
ちなみに、金沢〜七尾・和倉温泉間には、2015年10月より、輪島塗や加賀友禅をイメージしてデザインされた観光列車「花嫁のれん号」も新たに加わりました。休日を中心に1日2往復で運転。
なお、金沢駅から特急列車(特急能登かがり火号または特急サンダーバード号)に乗った場合、終点は、七尾駅からひと駅先の和倉温泉駅になります。
和倉温泉駅は、名湯 和倉温泉の玄関口。駅前から七尾バスに5分ほど揺れらると和倉温泉街の中心地までアクセスできます。
和倉温泉は、1200年の歴史のある温泉で、日本海に沿って「和倉温泉 加賀屋」をはじめ高級旅館が林立。
加賀屋は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で30年以上、連続で総合日本一に輝いている温泉宿です。
△能登半島の東部に湧く和倉温泉には高級旅館が軒を連ねる(写真提供:石川県観光連盟)
和倉温泉の温泉宿は、日本海で水揚げされた海の幸、能登牛、加賀野菜といった郷土の味覚や、身体の芯まで温まる良質の温泉が魅力。
(和倉温泉での宿泊)
>>和倉温泉の人気温泉宿一覧
和倉温泉は、ホテルや旅館が多いエリア。
東京から輪島に旅する場合、1日目は和倉温泉に宿泊して2日目朝に、和倉温泉を出発して輪島に向かうと、旅の行程がゆったりすると思います。
B七尾・和倉温泉〜輪島は、のと鉄道+北鉄バスで移動
△七尾駅〜穴水駅を結ぶ「のと鉄道」(写真提供:石川県観光連盟)
のと鉄道(七尾〜穴水間)は1時間に1本ほどのダイヤ※で普通列車が運行しています。七尾駅〜穴水駅間の所要時間は約40分ほど(和倉温泉〜穴水の所要時間は約35分)。
運賃は七尾〜穴水間が830円(和倉温泉〜穴水間680円/※のと鉄道の時刻表はこちら)
のと鉄道の終点、穴水駅は輪島より20kmほど南に位置します。
輪島に行くには、穴水駅で、北鉄バスに乗り換えとなります(かつては穴水〜輪島間にも鉄道が走っていましたが廃止になりました)。
穴水駅前から輪島駅前を結ぶバスは 北鉄バス(穴水輪島線)で。1時間に1本ほどの本数があります。
穴水駅前ー輪島駅前の所要時間は約40分です(北鉄バス 穴水輪島線の時刻表)
以上、金沢駅〜輪島間の鉄道+バスを使った移動手段でした
金沢駅から鉄道を使わず、バス(北鉄バス輪島特急線)のみで輪島まで直行するという交通手段もあります。
輪島行の特急バスは、金沢駅東口から発着しています。
輪島駅前までの所要時間は約2時間、運賃は片道大人2260円です(北陸鉄道バス(北鉄バス)輪島特急線のダイヤ)
<NHK朝ドラ「まれ」の舞台、輪島の魅力>
NHK朝ドラ小説「まれ」の舞台「輪島」は、能登半島の北端に位置する漁業のまち。
江戸時代には北前船が寄港し、全国各地の港と結ばれていました。
△「輪島の朝市」は、地元のおばあさんとおしゃべりをして買い物をするのも楽しい(写真提供:石川県観光連盟)
輪島を歩けば まちの随所から、ゆったりとした時間の流れと素朴さが感じられます。
その例のひとつに「輪島の朝市」があります。「輪島の朝市」は1000年近い歴史がある朝市です。
輪島駅前から徒歩10分ほど行った路地(全長350mほど)の両側に、おばあさんたちが、遷鮮魚や干物、民芸品などを販売する露店が並ぶのです(8:00〜12:00 /第2.4水曜・年始は休み)。
地元のおばあさんたちとゆっくりと世間話をしながら、地元の食材や土産物を買う。とても癒されるひとときです。
ちなみに、NHK朝ドラ「まれ」にも「輪島朝市」が登場。そのシーンは、輪島朝市のなかにある食堂で希(まれ)がアルバイトに励む設定でした。
輪島には他にも、輪島キリコ祭りの疑似体験をできる「キリコ会館」、輪島塗の体験をできる「輪島工房長屋」ほかさまざまな見所があります。
また、シャトルバスやタクシーなどで海辺に行くと、海岸に向かって棚田が広がる「白米の千枚田(しろよねのせんまいだ)」はじめ、能登の人々の暮らしが垣間見られる自然景観も広がります。
ちなみに、白米の千枚田は、2011年に「能登の里山・里海」が日本初の「世界農業遺産」に登録されたとき高く評価された棚田のひとつです。
△高低差56mの急斜面に1000枚以上の田が連なる「白米の千枚田」(写真提供:石川県観光連盟)
輪島に足を運んだときぜひ味わっておきたいグルメは、「能登丼」。「能登丼」は、エビやカニ、アジなど近海の魚介類や野菜などを豪勢に盛った丼ぶり。
厳しい日本海の荒波で揉まれた輪島近海の魚介類は、身が引き締まっていて鮮度抜群です。
△奥能登の食材を使うのがルールの「能登丼」。日本海の海の幸を堪能できると好評(写真提供:石川県観光連盟)
他には、ブランド牛の「能登牛」を使った肉料理の数々も美味。豊かな自然のなかで育まれた能登牛はやわらかくジューシーでです。
(輪島での宿泊)
>>輪島の人気宿一覧
<NHK朝ドラ「まれ」たちが移住した外浦村(そとらむら)とは>
△能登半島にある「間垣の里」の風景(写真提供:石川県観光連盟)
NHK朝ドラ「まれ」第一話では、津村一家が東京から能登に移住してくるストーリーが放映されました。
移住先は、輪島から車で少し離れているという外浦村(そとらむら)という設定(※外浦村という村は存在しません)。
民宿を営んでいた桶作家の空き部屋を間借りする形で、希(まれ)たちは新しい生活をスタートさせることになりました。
ちなみに、外浦村という架空の村のロケ地になったのは、輪島市の中心部から南西に10kmほど行った「間垣の里」だそうです。
間垣の里とは、輪島市内の上大沢町〜大沢町にかけての一帯で 日本海から吹く強風や夏の陽射しから生活を守るため、5m近い竹(二ガ竹)の垣根で囲まれている独特の集落です。
上大沢には漁港もあり、漁村の風情にあふれています。ちなみにドラマのなかに登場する「外浦村役場」は大沢にある空家のひとつを役場風に仕立ててロケが行われたのだとか。
なお、大沢町には、田中屋旅館<石川県>という、間垣に囲まれた宿も存在します。
鯛、甘海老、カニ、サザエ、能登特産イシル鍋、サザエといった能登の海の幸をふんだんにつかった夕食をはじめ、朝食の石焼岩海苔の香ばしい味わい、日本海に落ちる夕陽などが魅力のアットホームな雰囲気の宿(田中屋旅館<石川県>への交通:道の駅ふらっと訪夢(旧輪島駅)から北鉄バス西保線で約30分、大沢下車)
<間垣の里への交通アクセス>
道の駅輪島ふらっと訪夢(旧輪島駅)から「西保線」乗車して約30分、「大沢」または「上大沢」下車。
北鉄バス(西保線)の時刻表はこちら
※本数が極めて少ないので注意
2015年上半期に放送されたNHK朝ドラ「まれ」。2015年3月30日(月)〜9月26日(土)(全156回)放送。
北陸新幹線を使って「まれ」のロケ地(輪島や間垣の里など)を改めてめぐってみる能登半島の旅も味わい深いかもしれません。
JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。