△レトロなムードが漂う木造駅舎、宝珠山駅
JR九州のJR日田彦山線には、ホームに県境があるという珍しい駅があります。それは宝珠山駅(ほうしゅやまえき)という無人駅です。
宝珠山駅はホームの3分の2が福岡県(福岡県朝倉郡東峰村)、3分の1が大分県(大分県日田市)に属しており、県境をまたぐ駅としては九州エリアで唯一無二の存在です。
宝珠山駅は昭和12年(1937年)に開業。現在の駅舎は老朽化のために平成10年(1998年)に建て替えられたものです。
ただ、新駅舎は旧駅舎のデザインが踏襲されたため、昭和初期の香りがするレトロな雰囲気を醸し出しています。
宝珠山駅は木造平屋建てで壁は板壁。改札口やホームにあるベンチも木造。
まだ駅舎構内は新しい感じがしますが、年月を経るごとに味が出てくることでしょう。
△宝珠山駅のベンチと改札口も昔ながらの風情があり
宝珠山駅のホーム単式ホーム(1面1線)。その一角には、その地点が福岡県と大分県の県境であることを示す標識も立てられています。
大行司駅方面が、福岡県朝倉郡に属し、大鶴駅方面側が大分県日田市に属します
県境の部分には、地元、福岡県朝倉郡東峰村の特産物である小石原焼の登板が埋められています。
△宝珠山駅のホーム上にある、福岡県と大分県の県境を示す標識
宝珠山駅のあるJR日田彦山線には気動車がのんびりと走っています。
JR日田彦山線はかつて添田の石炭や香春などから産出される石灰石を運搬するために敷設されました。
しかし、石炭から石油へとエネルギーが移行し、炭鉱がさびれたあとは、まるで時が止まったかのように昔ながらの鉄道風景が残されました。
△JR日田彦山線を走る気動車。宝珠山駅にて
JR日田彦山線を走る列車は、福岡県の小倉駅を出発し、城野駅からJR日田彦山線に入り、車窓に山並みを映しながらのんびりと走っていきます。
(宝珠山駅の時刻表はこちら)
(地図)
△日田彦山線「宝珠山駅」の場所
宝珠山駅を経て夜明駅からはJR九大本線に入って大分県の日田駅まで結びます。
時間帯にもよりますが、宝珠山駅を通る列車は概ね、2時間に1本程のペースで運行されています