IMG_IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道を直通運転する全車指定制の「快速あいの風ライナー」
△IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道を直通運転する全車指定制の「快速あいの風ライナー」

北陸新幹線が開通したことを受け、JR北陸本線の一部は第三セクターに移管されました。

そのうちの「IRいしかわ鉄道」「あいの風とやま鉄道」は、ホームライナーとして位置づけ、直通運転する「快速あいの風ライナー」を平日3往復設定。
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「快速あいの風ライナー」は全車座席指定制の列車で、乗車するためには乗車券に加えライナー券(300円※大人、小児同額)が必要となります。

一体、「快速あいの風ライナー」とは一体どのような列車なのでしょうか?そこで、金沢駅から乗車してみることにしました。

IMG_北陸新幹線の終点であり、快速あいの風ライナーが発着する 金沢駅
△北陸新幹線の終点であり、快速あいの風ライナーが発着する 金沢駅

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IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道を直通運行する「快速あいの風ライナー」は、東京で走っているホームライナーとはさまざまな面で性質が違っています。

まず金沢駅のホーム上にライナー券券売機があるのか?と思って探しましたが見当たりません。

電光掲示板を見ると、「快速あいの風ライナーはライナー券300円が必要です。車内でお買い求めください」という表示がなされていました。

どうやら金沢駅ではライナー券を販売しておらず、ライナー券の購入は車内となるようです。

IMG_電光掲示板に 快速あいの風ライナーが表示
△電光掲示板に 快速あいの風ライナーが表示

それでちゃんと乗れるのかな?という一抹の不安を感じつつ列車を待っていると、「間もなく5番線に快速あいの風ライナーが到着します」アナウンスが流れ、しばらくして2両編成の電車が近づいてきました。

やってきた車両は、JR北陸本線を走る普通列車と変わりない521系電車。

車内の内装も同じで、シートは転換クロスシートをメインに一部ロングシートの車両。

IMG_快速あいの風ライナーの使用車両は、JR北陸本線などで活躍中の521系電車
△快速あいの風ライナーの使用車両は、JR北陸本線などで活躍中の521系電車

北陸在住の人々が普段から乗り慣れているであろう普通列車と外観も内装も同じ521系電車・・

確かに乗り心地がよい部類の車両ではありますが、普段乗るのと同じ車両に300円のライナー券を別途払うとなれば、乗客はあまり多くないのでは?と思いました。

しかし、意外乗り込む乗客は多く、出発前には7割ほど座席が埋まっていきました。
快速あいの風ライナー乗車記

金沢駅独特の、琴の音色の発車音とともに 金沢駅を後にした「快速あいの風ライナー」は暗闇のなかに金沢市内の高層建築群の夜景を映しだしながらスピードをあげ、ちいさな駅を通過していきます。

「当列車は、乗車券のほか、ライナー券300円が必要になります。ライナー券の購入は車掌またはアテンダントにお申し付けください」とのアナウンスが流れました。

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△快速あいの風ライナーのシート

金沢駅から快速あいの風ライナーに乗った乗客は、一斉に財布を取り出します。車掌は一列一列車内を廻り、ライナー券を発券していきます。

なかなか大変そうな作業です。また、大方は快速あいの風ライナーの料金システムを理解して乗っているわけですが、中には「え?乗車券のほかに300円かかるんですか?」という人もちらほら。

快速あいの風ライナーを普通車両と思って乗車してしまったのでしょう。

ホーム上でも何度もライナー券が必要である旨のアナウンスがなされているだけに不注意といえば不注意ですが、快速あいの風ライナーは、外観も内装も普通列車と同じ車両であるだけに、間違えて乗車しても無理はないと思います。

しばらくすると私のところにも車掌が回ってきました。「どちらまで行かれますか?」と聞かれ、行先を「富山駅です」告げ代金の300円を手渡すと、「少々お待ちください」とipad風の端末を操作してライナー券を発行してくれました。

レシートのようなそのライナー券には、下車駅(富山駅)の到着予定時間も記されていて、その点はなかなか良いなと感じました。

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△車内で発券された、快速あいの風ライナーのライナー券(300円)

「快速あいの風ライナー」のライナー券は(一応は)座席指定券です。

ただ、金沢駅から乗車する場合、乗客はライナー券を購入していない状態で乗車するわけですから、あらかじめ座席が指定されているわけではありません。

ドアが開くや否や、乗客はそれぞれ好きな座席に座り、その座席を車掌がひとつひとつ確認して端末に入力し、ライナー券発券という状況でした。

発車時点で乗車人数もカウントされていないわけで、これでは座席指定券の意味があるのか少々微妙なところですが・・

今後はライナー券をより効率よく乗客が購入できるシステムに変わっていくことに期待したいと思います。

(宿泊情報)金沢の観光に便利な、金沢駅前に立つ人気ホテル一覧

「快速あいの風ライナー」は石川県の金沢駅と富山県の泊駅間を結んでいます。

停車駅は、金沢駅 、石動駅 、高岡駅 、小杉駅 、富山駅 、滑川駅 、魚津駅、黒部駅 、入善駅 、泊駅。

意外だったのは、石動(いするぎ)や高岡といった金沢の近郊エリアで下車する乗客も少なくなかったこと。

普通列車と同じ車両に乗って20分ほど乗車するために300円をプラスして支払うことにどれだけのメリットがあるのかはわかりませんが、それはそれで価値を置いている人も少なくないということでしょう。

というのは、快速あいの風ライナーは、停車駅が少なくスピードが速いこと。

例えば、普通列車で金沢駅〜富山駅を移動すると約1時間かかりますが、快速あいの風ライナーなら45分と15分短縮することができます。

金沢駅〜泊駅に乗車した場合、普通列車で約1時間50分かかるところが、快速あいの風ライナーの場合、約1時間25分と25分短縮することができます。

また、快速あいの風ライナーが運転されている時間帯は、普通列車に乗れば通勤・通学客で混雑していることが多く、座席に座れること自体、大きなメリットなのだと思います。

<快速あいの風ライナー DATA>

(停車駅)金沢駅、石動駅、高岡駅、小杉駅、富山駅、滑川駅、魚津駅、黒部駅、入善駅、泊駅

(時刻表)快速あいの風ライナーの時刻表はこちら

(ライナー料金)ひとり300円 (大人・小児同額)

(ライナー券の発売場所) 泊駅、入善駅、黒部駅、魚津駅、滑川駅、富山駅、小杉駅、高岡駅、石動駅の各駅とあいの風ライナーの列車内で発売(※金沢駅での発売はなし)

(その他)「快速あいの風ライナー」の列車名の由来となった「あいの風」とは北陸地方に夏に吹く穏やかな風のことを指します。