△JR北陸本線で活躍している521系電車
JR北陸本線は滋賀県の米原駅と、石川県の金沢駅を結ぶJR西日本の全長176.6kmの路線です。
米原駅で北陸方面の列車を待っていると、敦賀駅の普通列車(521系電車)がホームに滑り込んできました。
シートは転換式クロスシートで、降車部付近が一部、ロングシートになっています。
△転換式クロスシートをベースにした521系電車の座席
米原駅を出たJR北陸本線敦賀行の普通列車は、JR東海道本線の線路と分かれ北に進路を進めていきます。
坂田駅を出ると米原市から長浜市に入って田村駅に停車。
琵琶湖東岸に広がる田園風景のなかを駆け抜けていきます(JR北陸本線の時刻表はこちら)
市街地が広がってくると長浜駅に到着です。長浜駅のある長浜市は、羽柴秀吉が居城した長浜城を中心に発展した城下町。
長浜駅から北東方向に10分ほど歩けば、黒壁の古いのまちなみがつづく観光スポット「黒壁スクエア」があります。
黒壁スクエアは古い建物群のなかにガラス工芸の店や工房、飲食店、土産屋などが入店し、土日を中心に団体ツアーも多く立ち寄りにぎわっています。
△歴史の風格を感じさせる長浜の黒壁スクエアの町並み
また、長浜駅の西には緑豊かな公園(豊公園)が広がっておりその一角には安土桃山時代の天守閣を再現した長浜歴史博物館がそびえ立っています。
長浜歴史博物館の館内では、国友鉄砲や織物など長浜の文化を中心に紹介しているほか、天守閣からの琵琶湖の眺望が美しいことでも知られています。
△豊公園の緑に囲まれてそびえる長浜城(長浜歴史博物館)の天守閣
その他、豊公園内には総鉄泉の温泉「長浜太閤温泉」も湧いています。
(宿泊情報)長浜太閤温泉 国民宿舎 豊公荘
長浜駅を出ると、JR北陸本線敦賀行の普通列車は、車窓に広大な田園地帯を映しながら姉川を渡って虎姫駅に向かいます。
車窓に広がる北近江の山々や余呉湖の南付近のエリアは、かつて織田信長と浅井長政の軍勢が一戦を交えた「姉川の合戦」や、豊臣秀吉と柴田勝家が戦った「賤ヶ岳の合戦」の舞台。
浅井長政が居城した小谷城跡など歴史スポットも点在しています。正に、戦国の歴史ロマンが秘められたエリアをJR北陸本線の列車は走っていくことになります。
△広大な田畑と残雪の山並みが、車窓に展開
右車窓には、伊吹山を中心とする伊吹山脈の山並みが連なってくると無人駅の河毛駅。
ほどなくして北陸自動車道の高架をくぐり、両側には緑が迫ってきます。
高時川を渡り、右に工場日本電子硝子の工場を過ぎると民家が増えてきて高月駅。
高月駅を出ると、再び、車窓には広大な田畑が広がります。その先には残雪の山並み。幻想的かつ開放的な風景です。
田畑の風景が途切れて民家が増えてくると木ノ本駅に到着。木ノ本は、かつて北国街道の宿場町として栄えたまち。
木ノ本には昔ながらの商家や酒屋が立ち並ぶノスタルジックな町並みも残されています。
木ノ本駅を出ると、JR北陸本線の普通列車は再び北陸自動車道の高架をくぐり、車窓には山が迫ってきます。
のどかな農村集落を過ぎると列車は大きく西にカーブを切って余呉駅。
△時間がゆったり過ぎるのんびりした農村風景も沿線の魅力
余呉駅を出ると、左車窓には余呉湖の風景が少し映しだされます。
余呉湖は3方を山に囲まれた周囲約6.4kmの湖で、その湖面は穏やかでまるで鏡のようであることから、鏡湖と称されることもあります余呉湖は「羽衣伝説」が残る日本最古の湖としても知られます。
羽衣伝説とは、羽衣によって天から降りてきた天女とその天女に恋する男の物語。
そんな古代ロマンにあふれる余呉湖は、冬は湖畔に並ぶ桜が花を咲かせ、冬季にはワカサギ釣りでたくさんの釣り人が訪れます。
△素朴な田畑の向こうに顔をのぞかせる、余呉湖
余呉湖の風景が途切れると、JR北陸本線の普通列車は山のなかにのびるトンネルに入ります。
以降、トンネルに入っては出ての繰り返し、JR湖西線の線路が近づいてくると近江塩津。
近江塩津駅を出ると、JR北陸本線敦賀行普通列車は北西方向に、トンネルをくぐりながら山中を進んでいきます。
福井県敦賀市に入るとログハウス調平屋建ての木造駅舎、新疋田駅。
△山々に囲まれた近江塩津駅付近の町並み
新疋田駅を出ると、JR北陸本線敦賀行の普通列車は渓流が流れる山あいを進み、北陸自動車道の高架をくぐります。
次第に民家やアパートが増えてきて、終点の敦賀駅に到着。敦賀駅のある敦賀市は福井県南西部に位置するまちで昆布加工など産業が盛んです。
△敦賀市の中心部にある敦賀駅と残雪の山々
敦賀駅から福井・金沢方面に行くならば、基本的に乗換となります。
普通列車のほか、敦賀駅には特急サンダーバード号や特急しらさぎ号も停車します。
※以下は北陸本線の上り列車(粟津〜福井、福井〜武生)の車窓動画(側面展望)です。窓外には雪景色が広がります。