△和歌山水了軒のロングセラー駅弁「小鯛雀寿司」
小鯛雀寿司は、和歌山市内に本店を構える和歌山水了軒が製造販売している駅弁です。
和歌山水了軒といえば、明治31年創業の老舗で、和歌山で駅弁といえば水了軒というほど有名。
小鯛雀寿司は、和歌山水了軒のロングセラー商品として以降親しまれてきました。
小鯛寿司は、地元では「チャリコ」と称される小鯛を使った寿司で、大阪府や和歌山県の郷土料理として知られます。
その歴史は古く、源平の時代に活躍した武将 平維盛が小鯛寿司をこよなく愛し、兵食としても用いていたとも伝えられています。
尾っぽをつけたまま握られた小鯛寿司はその姿がまるで雀が躍っているように見えたので、「雀寿司」とも称されるようになったのだとか。
和歌山水了軒の駅弁「小鯛雀寿司」はそんな歴史的エピソードもふまえ、小鯛寿司の味わいを再現して完成させた駅弁です。
△和歌山駅に到着したJR阪和線の紀州路快速
大阪駅から紀州路快速で約1時間半走ると、終点の和歌山駅にたどり着きます。
和歌山駅構内の売店で和歌山水了軒の駅弁「小鯛雀寿司」(5個入り900円)を購入してみました。
△和歌山水了軒の駅弁「小鯛雀寿司」は和歌山駅構内の売店などで販売中
和歌山水了軒の駅弁「小鯛雀寿司」は縦長のコンパクトサイズの駅弁で、表面には和歌山城を描いたイラストと鯛の写真が印刷されていました。
早速蓋を開けてみると、ふくら雀のような愛らしい 小鯛寿司が5つきれいに並んでいました。鯛の身には、皮もついていて淡い桜色を帯びています。
△まるで雀のような、ふっくらとした小鯛雀寿司
和歌山水了軒の「小鯛雀寿司」に使われている小鯛は、和歌山県の紀淡海峡で水揚げされた新鮮な小鯛。
それを3枚におろし塩で洗い酢に漬けて1日間寝かせる作業を行ってじっくり味付けをするのだといいます。
そのように鯛の身にも味付けがなされていることもあって、和歌山水了軒の「小鯛雀寿司」は、醤油など調味料をつけずにいただくのが伝統的なスタイルになっています。
ワサビも入っておらず添えられているのはガリだけです。
握り寿司よりひとまわり大きいサイズの「小鯛雀寿司」をつまみ口のなかに入れると、鯛ならではのあっさりとした美味しさと酢飯のまろやかな甘みが口のなかに広がりました。
△脂が乗り身が引きしまった小鯛の身と酢飯との相性も抜群
紀淡海峡でもまれた魚は脂が乗り身が引き締まるといいますが、この鯛身もその通りでした。
やわらかくて程よい歯ごたえもある鯛身で そこに酢がほどよい加減でしみ込んでいて、鯛の旨みを引き出していました。
かむごとに、ふんわりと潮の香りが漂ってくるようにも感じました。
シャリは昆布ベースのダシで炊き上げられたご飯を酢で合わせたもので、もちもちとしていながらも粒が立っていて、やさしい甘みを帯びていていました。
鯛身との相性も絶妙で後味もすっきりとしていました。
<小鯛雀寿司 DATA>
(調製元) 和歌山水了軒
(値段)
5個入り 900円
6個入り 1080円
7個イリ 1250円
12個入り 2100円
(販売場所)(JR阪和線・JR紀勢本線・JR和歌山線・和歌山鐡道)和歌山駅構内売店、紀ノ川SAなど
※和歌山鉄道の車窓動画(和歌山駅〜貴志駅)はこちらをご覧ください
△終点の貴志駅にはネコ駅長がいます