△富山駅に停車するJR高山本線の普通列車
JR高山本線は、富山県の富山駅から、猪谷を経て岐阜県の岐阜駅を結ぶ全長225.8kmの路線。
飛騨高地の山や川が織りなす、四季折々の風景を楽しめる人気の路線です。
JR高山本線の始発駅となる富山駅のぽつんと離れた3番線ホームに待っていたのは、2両編成のキハ120形気動車。猪谷行の普通列車です。
富山駅を出発したJR高山本線猪谷行の普通列車は、しばらく北陸新幹線の高架の下を走り、神通川を渡って、あいの風とやま鉄道の線路と分かれていきます。
△富山市内では田園地帯を走る。田畑の先には、連なる立山連峰の山並み
呉羽山公園を右手に西富山駅に停車。
富山市内の住宅街のなかを、JR高山本線の普通列車は軽やかにレールを軋ませ進んでいきます。広大な平野を縫い、神通川の支流 井田川を渡ると婦中鵜坂駅。
婦中鵜坂駅から北陸自動車道の高架をくぐり速星駅を出ると、井田川を再び渡って田畑のなかを進み千里駅。
千里駅を出ると、こんもりした緑が点在する集落が広がりはじめ越中八尾駅に到着します。
越中八尾駅のある富山市八尾町は、かつて飛騨と富山を結ぶ飛騨街道の拠点として栄えたまち。
現在も往時を偲ばせる古い町並みが残ります。
△JR高山本線普通列車(キハ120形気動車)の車内
普段、富山県八尾町はひっそおり静かなまちですが、毎年9月1日〜9月3日には八尾町では、江戸時代からつづく民謡行事「おわら風の盆」が開催。
全国から大勢の観光客が集まり大賑わいになります。
「おわら風の盆」開催期間中、家並みにはぼんぼりに灯がともり、浴衣姿に編笠をかぶった踊り子たちがまちを踊り歩きます。そのさまは優美で幻想的です。

△毎年9月1〜3日に越中八尾で開催の「おわら風の盆」(写真提供:富山県観光連盟)
(楽天トラベル)料理旅館 北吉
・・越中八尾駅から車約10分、越中八尾おわらの里にある創業明治17年の料理旅館
越中八尾駅より先は、JR高山本線の列車の数は一気に少なくなります。越中八尾駅を出ると、列車は井田川を渡り、東に方角を変えて山深い高台を進んでいきます。
車窓はすっかり緑一色。木造駅舎の東八尾駅を出ると、西勝寺を左に神通川を渡り、再びレールは南下していきます。
トンネルをくぐると、車窓には神通川が迫ってきます。家々が連なりはじめ、車道(41号線)と並行して笹津駅。
△J川を何度も鉄橋で渡るのも、JR高山本線の見どころ
左手に直坂遺跡や猿倉山を見て列車は神通川に沿ってひた走っていきます。右車窓には映しだされるエメラルドグリーンのダム湖ではカヌーを楽しむ人々の姿も。
笹津山、御前山などがそびえる深い山。トンネルまたトンネルと進み、楡原駅。
△赤い橋が緑とエメラルドグリーンの川面に映える
楡原駅を出ると、神通川に沿う山すその高台を走り、左車窓に赤い橋とエメラルドグリーンの川が映しだされます。
そのコントラストに見とれていると、長いトンネルに入ります。トンネルを出ると、神通川第一発電所のあるダム湖をかすめ、またトンネル。
△神通川上流に位置するダム湖
川沿いに町並みが広がってくると、JR高山本線の普通列車は、猪谷駅のホームに滑り込みます。
猪谷駅は、JR西日本とJR東海の境界駅で、特急ひだを除くと、運行形態が二分されることになります。
隣ホームには高山行の普通列車がアイドリング音を立てて停車していました。
△終点の猪谷駅は、JR西日本とJR東海の分岐点
なお、猪谷駅前からは商店街がつづき、関所せんべいが古くからの名物。
また、猪谷駅から東へ1分ほどの距離には、猪谷関所館があり、越中と飛騨を結ぶ飛騨街道の要所、富山藩西関所に関する古文書や関所ジオラマなどが展示されています
(9:00〜17:00※入館は〜16:30/入館料150円/休館:月曜・祝日の翌日・年末年始)
JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。