△高岡駅〜城端を結ぶ、JR城端線の気動車
JR城端線は、富山県の高岡と城端を結ぶ全長29.9kmのローカル線。
沿線には、チューリップで有名な砺波があるほか、「越中の小京都」と呼ばれる城端へ、素朴な農村を抜けて走るローカル色の高い路線です。
JR城端線の起点は、銅器のまちとして知られる高岡。あいの風とやま鉄道、JR城端線、氷見線の乗換駅であるだけに、さまざまな列車が発着しています。
△JR城端線の普通列車(キハ40)の車内
JR城端線城端行の普通列車は、高岡駅を出ると、あいの風とやま鉄道の線路と分かれ住宅街を南へ進んでいきます。
2分ほど走ると、北陸新幹線の高架とクロスして、少し過ぎたところの新高岡駅に停車。すぐ左後方には、北陸新幹線の新高岡駅の新しい駅舎がそびえています。
2015年3月14日に長野〜富山・金沢間を延伸開業した北陸新幹線。北陸新幹線のうち新高岡駅には「はくたか号」、「つるぎ号」が停車します。
新高岡駅を出ると、JR城端線の列車はしばらく住宅地の間を抜け、車窓には砺波平野が広がりはじめます。
△のんびりした田園地帯をJR城端線の列車は抜けていく
高岡市サッカーラグビー場を左手に過ぎると二塚駅。左に中越パルプ工場を見てのんびりした田畑を縫って林駅。
JR城端線は、その昔ながらののんびりした農村地帯をガタゴトレールをきしませながらゆっくり走っていきます。
広々とした田畑を走り、渓流をかすめ木造の戸出駅に停車。
JR城端線は、前身となる中越鉄道ができたのが明治30年(1897年)と歴史が古い路線ということもあり、戸出駅、福野駅、城端駅ほか、開業当初の風情を感じさせる木造駅舎が点在しています。
△JR城端線には忍者ハットリくん列車も運行中
左車窓に明るい田んぼを映しながらしばらく行くと油田駅。チューリップが栽培されている畑も目立ち始めます。
車道(156号線)の高架をくぐってJR城端線の列車は砺波駅に到着。
砺波駅ホームにはチューリップや水仙の花がお出迎え。砺波駅のある富山県砺波市は、チューリップの生産全国一のまち。
JR砺波駅から15分ほど歩くと、チューリップをテーマにした都市公園「砺波チューリップ公園」が広がります。
7haにも及ぶ「砺波チューリップ公園」の敷地には、チューリップを中心に、四季折々の花々が咲き乱れます。
とりわけチューリップシーズンの春には450品種、100万本ものチューリップが美しく、開催される「チューリップフェア」には多くの観光客たちでにぎわいます

△チューリップが一面に咲き乱れる砺波の「チューリップフェア」(写真提供:富山県観光連盟)
砺波駅を出ると、JR城端線の車窓にはチューリップ畑が続き、春には色とりどりのチューリップの花々が乗客を楽しませます。
北陸自動車道と交差して東野尻駅に停車。田畑を抜けて高儀駅。
△車窓にはのどかな田園地帯が広がる
南砺家庭地域医療センターを右に見て471号線の高架をくぐると木造駅舎の福野駅に到着。
福野駅から4分ほど歩いたところにある南砺福野高校「福野高校巌浄閣」も沿線の見どころのひとつ。
明治36年に旧県立農学校本館として立てられた、国の重要文化財に指定されている学校建築です。
福野駅を出ると、JR城端線の普通列車は、山田川を渡って東石黒駅、福光駅と停車していきます。
△JR城端線は明治時代に開業した非電化のローカル線
福光は、板画家 棟方志功が疎開し6年間過ごした町。
福光駅前には、棟方志功作「女人観世音」が飾られた噴水公園があるほか、福光駅から徒歩10分ほどには、棟方志功の作品の数々を鑑賞できる棟方志功記念館愛染苑もあります。
・【送料無料】 棟方志功作品集 富山福光疎開時代 / 棟方志功 【単行本】
福光駅を出ると、車窓には古い日本家屋が増えてきます。レールは南東方向にカーブを描き、越中山田駅に停車。
東海北陸自動車道の高架をくぐり、田畑を抜けてほどなくすると、終点の城端駅に到着します。
△瓦葺きの屋根を構えた木造駅舎の城端駅
城端は、「越中の小京都」ともいわれる歴史風情漂うまち。
城端駅から国道を辿り10分ほど歩くと、蓮如上人が立てた善徳寺が立ち古い民家が軒を連ねます。
なお、城端では茶道をたしなむ金沢の文化の根付いたことから、菓子店が多いのも特徴のまちです」。
△風格ある善徳寺の山門
城端駅は世界遺産「白川郷」や「五箇山」の玄関口でもあります。駅前からはそれら合掌集落へ向かうバスも発着しています。