△JR新大阪駅・JR大阪駅〜城崎温泉(兵庫県豊岡市)をJR福知山線経由で結ぶJR特急こうのとり号
特急こうのとり号は、JR新大阪駅・JR大阪駅からJR福知山線経由で兵庫県豊岡市の城崎温泉へ向かうJR西日本の特急列車です。
JR特急こうのとり号の車両には、純白にワインレッドのラインが入った287系特急型電車が主に使われています。
「こうのとり」という列車名は、国の天然記念物コウノトリに由来。
コウノトリを保護しているコウノトリの郷公園のある豊岡市も通ることなどから名付けられました。
JR新大阪駅を後にしたJR特急こうのとり号は、JR神戸線を西に走っていきます。淀川を渡り高層ビルが林立するJR大阪駅に停車。
JR大阪駅から5分ほど走った尼崎駅からはJR福知山線に入ります。大阪平野に広がる住宅街のなかを北上して宝塚歌劇場の最寄駅である宝塚駅に停車。
宝塚駅をでると、JR特急こうのとりの車窓には緑の割合が一気に増えていきます。
武庫川の渓谷がつくりだす深い緑のなかをトンネルを貫通しながら抜けていき、まちがあらわれると、三田駅に停車。
有馬温泉に向かう神戸鉄道三田線は乗り換えです。
Nゲージ 10-1107 287系「こうのとり」 4両基本セット
新三田駅を過ぎると、JR特急こうのとり号の車窓には、のどかな丹波の里ならではの里山風景が広がります。
槇ケ峰や松尾山に囲まれて田んぼや黒豆畑が広がり心なごむ風景です。
△のんびりした丹波の里山風景が車窓に広がる
178号線に沿って北上していくと篠山口駅。
篠山口をでると、JR福知山線の線路は西に方向を変え、波賀尾岳や白髪岳が連なる山間を走っていきます。清流 篠山川が流れる渓谷美が展開。
JR加古川線の乗り換え駅である谷川駅を通過すると、再び北上し、柏原駅と停車。丹波竹田駅を通過し塩津トンネルをくぐると兵庫県から京都府へとはいっていきます。
由良川の流れを右に見て、JR山陰本線の線路が近づいてくると福知山駅までほどなくの距離。
市街地のなかに福知山城が見えれば、丹後鉄道(旧北近畿タンゴ鉄道)の乗換駅である福知山駅に停車します。
福知山は、天正8年(1580年)明智光秀が丹波の拠点として築いた福知山城を中心に発展した城下町です。
△緑豊かな小高い丘の上に立つ福知山城
福知山駅を出ると、山陰道に沿う山あいをJR特急コウノトリ号は駆け抜けていきます。
兵庫県の朝来市に入り、左手からJR播但線の線路が近づいてきて、和田山駅に停車。JR播但線経由のディーゼル特急はまかぜ号もJR山陰本線に合流してきます。
△和田山駅に入線するJR特急こうのとり号
和田山駅からは、八鹿駅、江原駅、豊岡駅、城崎温泉駅とJR特急コウノトリ号は、およそ10分ごとに停車していきます。
(神鍋高原)

△豊かな緑と広大な空がすがすがしい神鍋高原
北近畿で高原リゾートといえば、神鍋高原が知られていますが、その最寄駅は江原駅で、江原駅から全但バスで約25分です。
標高496mの神鍋高原は自然あふれるエリア。渓谷や高原に沿ってハイキングコースが整備されていて、週末のアウトドアレジャーにぴったりです。
(コウノトリの郷公園)

△国の特別天然記念物に指定されているコウノトリ
JR特急コウノトリの列車名ともなった国の特別天然記念物であるコウノトリを鑑賞できる「兵庫県立コウノトリの郷公園」は、JR豊岡駅(兵庫県豊岡市)からタクシーで約15分。
コウノトリの郷公園は、コウノトリの野生復帰に取り組む世界で初の施設で185ヘクタールの園内でコウノトリの観察をすることを通して自然学習をできるようになっています。
なお、路線バスでコウノトリの郷公園まで行く場合、豊岡駅(兵庫県豊岡市)から全但バス「コウノトリの郷公園」または「法花寺」行に乗車してコウノトリの郷公園バス停下車(※本数が少ないので要注意)。
(コウノトリの郷公園DATA)
開館9:00〜17:00
休園:毎週月曜日(休日に当たるときはその翌日)・12月28日〜1月4日
入園料 無料
なお豊岡駅(兵庫県豊岡市)から全但バスで30分ほど揺られると皿そばなどで有名な城下町出石(兵庫県豊岡市出石町)へもアクセスすることができます。
(出石)

△兵庫県豊岡市出石町の中心部にある江戸時代に小出氏が居城した出石城址
出石(兵庫県豊岡市出石町)は、慶長9年(1604年)に小出氏が築いた出石城を中心に発展したまち。
石垣が残り登城門などが復元された出石城跡のほか、見張り櫓として機能していた木造の時計台 辰鼓楼閣、たくあん漬けを広めた僧沢庵ゆかりの沢庵寺ほか、古き良き時代を想起させる風景が随所に残されています。
出石(兵庫県豊岡市出石町)の郷土料理といえば出石そばが有名。
出石そばは、ねぎ、わさび、卵などといっしょにいたらく江戸時代から伝わるそばで、豊かな香りとコシが特徴。
出石町には50軒近いそば店があり中には、そば打ち体験をできるスポットも。
(城崎温泉)

△柳の木々が並ぶ風情ある、兵庫県豊岡市にある名湯 城崎温泉
右に円山川の流れを観ながら、旅館群が立ち並び始めると終点の城崎駅に到着。新大阪駅から約2時間50分の鉄道旅。
城崎温泉駅の改札をでると、城崎温泉の温泉街が広がっています。
城崎温泉(兵庫県豊岡市)は開湯1400年という歴史ある温泉。
小説『城崎にて』を執筆した志賀直哉をはじめ、吉田兼好、与謝野晶子、有島武郎ら文人墨客にも愛されてきました。
大谷川に沿って、しだれ柳や桜並木が並び、情緒ある温泉宿が軒を連ねるさまは、これぞ日本の温泉といった雰囲気。
宿に泊まれば日本海で水揚げされた海の幸や但馬の山の幸をふんだんに盛り込んだ料理が膳をにぎわせます。
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夕暮れ時になると、湯客たちが浴衣姿で下駄をカラコロ鳴らしながら外湯巡りをするのも城崎温泉ならではの風物詩。
文学碑が並ぶ情緒ある温泉街を練り歩いたり、大師山にロープウエイであがったり、城崎町文芸館や美術館を見学したりとさまざまな楽しみかたをできる温泉地でもあります。
ちなみに、JR城崎温泉の駅前には、展望風呂やサウナを備えた外湯「さとの湯」もあり。
(JR特急こうのとり号 DATA)JR新大阪・JR大阪〜城崎温泉(兵庫県 豊岡市)
(停車駅)新大阪駅、大阪駅、尼崎駅、宝塚駅、三田駅、篠山口駅、柏原駅、福知山駅、和田山駅、八鹿駅、江原駅、豊岡駅、城崎温泉/時刻表はこちら・予約はこちら