△寺前駅から竹田駅を通って和田山駅を結ぶ観光列車「天空の城 竹田城跡号」
標高353mの山の山頂にあり天空に浮かぶ城を思わせることから「天空の城」や「日本のマチュピチュ」と称され、大人気の竹田城跡。
竹田城跡は永享3(1431年)に山名宗全が築城したと考えられている古城の石垣群です。旅行雑誌やテレビで話題になり、近年は恋人の聖地にも認定されたことから若いカップルも多数訪れています。
竹田城跡といえば、竹田城跡の最寄り駅にあたる竹田駅を通るJR播但線に、JR西日本は観光列車「天空の城 竹田城跡号」を1日1往復運行させています。
先日、そんなJRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」に乗って竹田城跡に足を運んできました。
竹田城跡に行くには、まずはJR播但線の竹田駅を目指すというこなります。
JR播但線は、兵庫県西部にある姫路駅から北部にある和田山駅まで延びる全長約65.7kmの路線。
JR播但線の直通列車は特急はまかぜ号のみで、普通列車および快速列車は電化区間の姫路〜寺前駅と、非電化区間の寺前駅〜和田山駅に運行系統が分かれています。
観光列車「天空の城 竹田城跡号」が走るのは非電化区間である寺前駅〜和田山駅間です。
<姫路駅〜寺前駅>
△JR播但線のうち姫路〜寺前間の電化区間を行く103系電車
姫路駅までは、大阪から新快速列車で約1時間。姫路駅から寺前駅まではワインレッド色をした103系電車が運行しています。
姫路駅を出ると、寺前行普通列車は高架を走り、左車窓に白い姫路城が見ながらカーブ描いて京町駅。
△姫路駅を出て左車窓には国宝の姫路城が見える
山並みがだんだん近づいてきて田んぼが点在してくると野里駅に停車します。
一気に緑が両側に迫り、砥堀駅、仁豊野 、香呂駅、溝口駅と停まっていきます。
△姫路の市街地を過ぎるとJR播但線はのどかな農村地帯を走っていく
福崎駅をでると中国自動車道の高架をくぐり右手に市川の流れが近づいてきます。
甘地駅からは田んぼに黒豆畑が連なり、水鳥が遊ぶのどかな風景。鶴居駅、新野駅と田園地帯を過ぎると終点の寺前駅に到着です。
<寺前駅〜竹田駅>
△キハ40気動車を改造した観光列車「天空の城 竹田城跡号」の車両
寺前駅からいよいよ、観光列車「天空の城 竹田城跡号」に乗車です。
ちなみに2015年は毎日1日1往復の運行で、以下のような時刻表で運行されています。
<JR観光列車「天空の城 竹田城跡号」2015年8月現在の時刻表>
下り 寺前駅14:05発→竹田駅14:48発→和田山駅14:54着
上り 和田山駅発10:26発→竹田駅10:33発→寺前駅着11:28着
※時刻表は変更になることがあります。時刻表、運転日ほかJR西日本のHPやJR播但線の時刻表などでご確認ください
JRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」はキハ40系の改造車。車体に竹田城跡が描かれたラッピング車両です。
△観光列車「天空の城 竹田城跡号」は竹田城跡をモチーフにしたラッピング車両
座席は全車自由席でJR播但線のベースカラーであるワインレッドを基調にした落ち着いた雰囲気。
進行方向から見て左半分の椅子は窓に向いて並んでいます。また、床は木目調になっていてあたたかみがあり。
車両の前方にはモニターが設置されていて、当日は、竹田城を紹介する映像が流れ旅の雰囲気を盛り上げていました。
△JRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」の車内。窓側に向いた座席を配すなど工夫が盛り沢山
寺前駅を出発したJRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」はゆっくりと田んぼと民家のなかを抜け、カーブを描きながら緑のなかにゆっくり入っていきました。
右手には清らかな市川の流れ。山斜面には民家がはりついています。
△寺前駅以北の非電化区間はローカル線のムードただよう山のなかをゆく
長谷駅を出るとJRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」は市川の渓流に沿って走っていきます。川を渡り昔ながらの屋敷が点在する小さな集落を過ぎて再び緑のなかへ。
木漏れ日が車内に差し込み、あたたかく心地よいひとときが流れていきます。
△清らかな市川の流れを鉄橋で渡る
トンネルくぐり鉄橋で渓流をわたりまたトンネルへ。
それにしても山深い区間です。右手に人家があらわれ生野高校を過ぎると、JRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」は生野駅に停車します。
生野駅は生野銀山の最寄り駅。生野銀山は江戸幕府の財政を支えた1200年の歴史がある鉱山で史跡・生野銀山までは生野駅から約5kmです(路線バスもあり)
△市川の渓谷に沿った、深い山の緑のなかを駆け抜けていく
生野駅を出ると、JRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」は高台から石州瓦の民家群や田んぼを見おろしながらは勾配を降りていきます。カーブを舞い新井駅に停車。
新井駅からはのんびりした農村風景が過ぎていきます。空の青と山の緑、田畑の黄緑色が美しく車窓に展開して青倉駅に停車。
青倉駅からあさご芸術の森までは車で約10分です。
△山々に囲まれた田園地帯が車窓に展開。
右車窓に円山川の流れが近づき人家が増えてくると、JRの観光列車「天空の城 竹田城跡号」は竹田駅に到着。乗客がどっと降りていきます。
△近隣の山々に溶け込む観光列車「天空の城 竹田城跡号」の車両
<竹田駅〜竹田城跡>
△竹田城跡の最寄り駅、JR播但線の竹田駅
(宿泊情報)
JR播但線竹田駅周辺には楽天で予約できる宿もあります
・竹田町屋 寺子屋 はな亭(竹田駅から徒歩1分)
・竹田城下町 HOTEL EN(旧木村酒造場 EN)(竹田駅から徒歩3分)
その他、JR姫路駅周辺および、和田山駅周辺にはビジネスホテルはじめ宿がいろいろあります
>>姫路駅周辺および近郊の宿を楽天で探す
>>和田山駅周辺および近郊の宿を楽天で探す
※和田山駅は竹田駅からひと駅目にある駅です。
竹田駅に併設されている「わだやま観光案内所」でパンフレットをもらい竹田城跡に関する情報を収集すると、 竹田駅から竹田城跡へアクセスするには概ね、以下のような方法があることが分かりました。
(竹田駅から竹田城跡への交通アクセス)
・天空バス(約20分)+徒歩(約20分)
・タクシー(約20分)+徒歩(約20分)
・駅裏登山道で徒歩約40分)
・表米神社登山道で徒歩約40分
・南登山道で徒歩約60分
当日は、全但バスが運行する「天空バス」を使って竹田城跡に行ってみることにしました。
天空バスは竹田駅から1分ほど歩いた停留所から約30分〜1時間30分おきに出ています(※全但バスHPはこちら)。天空バスで往復する場合、「天空バス1日フリー乗車券(大人500円)」を購入すればオトクになります。
△オトクで便利な「天空バス1日フリー乗車券」
竹田駅バス停を出た天空バスは、円山川を渡り勾配をぐんぐん上っていきます。車窓には段々畑が連なるのどかな風景が展開。
△天空バスの車窓には豊かな緑が過ぎていく
しばらくして天空バスは山城の郷バス停に停車。山城の郷は、食事や朝来の名産品の買い物など楽しめる休憩処でこの地点から竹田城跡まで徒歩で歩くという人も少なくないそうです。
山城の郷バス停を出ると、天空バスは檜の木々のなかにのびる急坂をくねくね上っていき、終点のバス・タクシー乗降所である第二駐車場に到着します。
△順路に従って駐車場から舗装されたアスファルトの道を進む
天空バスを降りた駐車場から竹田城跡までは距離にして約700m。高低差は100mあります。標識にしたがってアスファルトの道を一旦下ってから上っていきます。
檜や楢の木々には蝉しぐれ。その隙間から眼下のまちなみが見えはじめます。
「竹田城跡 観覧料受付処」で観覧料(大人500円)を支払い、ゲートのなかへ。城跡につづく急な土の道が続いています。
△竹田城跡観覧料受付処で観覧料(大人500円)を支払い入場
<竹田城跡 DATA>
観覧料:大人500円、中学生以下 無料、年間パスポート1000円
観覧期間 ※2015年
8:00〜18:00(3月20日(金)〜9月18日(金))
4:00〜17:00(9月19日(土)〜12月10日(木))
竹田城跡観覧料受付処をすぎると、一気に勾配があがり、しばらく土道を上がっていきます。すると視界を覆っていた木々が切れ、目の前には竹田城跡の石垣群が飛び込んできます。
△雑木林を抜け、目の前には竹田城跡の石垣があらわれる
見渡せる高台までのぼりしばし休憩すると、眼下には山々に囲まれて朝来のまちなみが向こうの向こうまで広がっていました。
何という見晴らしの良さ。清涼な風が吹き抜け、空が近くにあることを実感でき絶好の写真スポットです。
△緑の山々の間にひらけた朝来市ののどかな風景が眼下に広がる
△竹田城の城下町として発展した古いまちなみも一望できる
(竹田城跡とは)
△築城当時の石垣群が現存する竹田城跡
竹田城とはかつて標高353mの山頂にあった山城。山頂に虎が伏せているようにも見えることから「虎伏城」とも称されてきたお城です。
その築城については不明な点が多いそうですが、永享3年(1431年)に山名宗全が築城したのではないかと考えられています。
その後、太田垣氏が7代城主として治め、天正5年(1577年)には羽柴秀吉による但馬攻めで掌握されることに。
その後は赤松広秀が天正13年(1585年)に城主となりましたが、慶長5年(1600年)に竹田城は廃城となっています。
△山頂まで石を運ぶのに膨大な労力と年月を要したといわれている
但馬竹田城が廃城してから既に400年以上の年月が経っていますが、石垣はほぼ当時と同じ形で現存。
天守台をほぼ中央に配して、本丸、二の丸、三の丸、南二の丸と並びます。山城の遺跡としてこれほど大規模なものが現存するケースは非常にまれだそうです。
△竹田城は日本100名城、国の史跡にも指定されている
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竹田城跡を順路に従って歩いていくと、次々と、巨大な石垣群が目の前に展開します。こちらも足を止めて写真を撮っておきたいところ。
その巨大なスケールや精密に組まれた石垣の神秘さに圧倒されながら、城跡を後にしました。竹田城跡の雲海は、また次の機会に。
順路沿って山道を下っていくと、往路に上ってきたアスファルトの道に合流し、しばらく歩くと天空バスの駐車場にたどり着きます。
△全但バスの「天空バス」の駐車場
△竹田城跡の場所
<JRの竹田城関連の商品>
△竹田城跡への観光ムードを高めてくれる観光列車「天空の城 竹田城跡号」
「城崎温泉・竹田城址ぐるりんパス」
:京阪神エリアおよび岡山エリアから城崎温泉・竹田エリアまでの往復乗車券+竹田城跡観覧料+天空バス運賃+城崎温泉外湯巡りなどセットにした企画切符
「竹田城散策」:竹田城跡観光と昼食をセットで楽しめる日帰りプラン