△JR嵯峨野線(JR山陰本線)の快速列車
日本最長のJR路線「山陰本線」をゆく列車の旅は、京都から始まります。
丹波地方や因幡地方を抜けて日本海側に沿って走り、その終点は下関駅のひとつ手前にある幡生駅です。その総延長距離は673.8kmにも及びます。
早速、JR山陰本線の列車の旅をスタートしてみることにしました。
JR山陰本線の列車が発着しているのは、京都駅の一番端にあたる30番台のホーム。しばらく待っていると、かつて新快速列車としても活躍していた221電車がホームに入線してきました。
【嵯峨野線】221系普通列車の側面展望(京都駅〜太秦駅)
221系電車の座席は転換式クロスシート。茶色をベースにあたたかみのある色調で統一されています。
その愛称どおり、日本屈指の観光地である嵯峨嵐山の付近を通るだけに、学生やサラリーマンのほか、国内外からやってきた観光客の姿も多く見られます。
△あたたかみを感じさせるJR嵯峨野線221系快速列車の座席
特急列車を除くと、JR嵯峨野線では、快速列車または普通列車が運行しており基本的に、京都府中央部に位置する南丹市の園部駅で折り返します。
<JR嵯峨野線 車窓の概要>
京都駅を出発した園部行のJR嵯峨野線(JR山陰本線)の列車は、JR東海道本線のレールと分かれて高架に上がっていきます。
どんどん見晴らしがよくなっていく車窓。左手には梅小路蒸気機関車館が過ぎていき、列車は高架を駆け抜け、京の町家や現代風の住宅が混じった眼下のまちなみを映しだしていきます。
丹波口駅、二条駅と過ぎると左車窓の前方には嵐山の山並みが連なりはじめ、左にカーブを描きながらその山々に近づいてきます。
円町駅を出ると、左手に東映太秦映画村が過ぎ太秦駅、嵯峨嵐山駅と観光スポットが点在する嵯峨野エリアをJR嵯峨野線(JR山陰本線)の列車は駆け抜けていきます。
嵯峨嵐山駅でどっと観光客が降りていきました。というのは、嵯峨嵐山駅は京都を代表する名勝のひとつ「嵐山」の最寄り駅なのです。
嵐山は春は桜、秋は紅葉と四季折々の自然景観が美しい地。平安時代には貴族たちが嵐山を流れる保津川(桂川)で船遊びをし嵐山を歌枕に和歌を詠み遊んだと伝えられています。
そんな古き良き時代の趣にあふれている嵐山は一年中大人気のスポット。
そのシンボルである渡月橋まではJR嵯峨嵐山駅から徒歩10分ほどです。
△JR嵯峨嵐山駅から嵐山のシンボル渡月橋までのルート
(宿泊情報)JR嵯峨嵐山駅に近い嵐山の人気宿を楽天で探す
なお、嵯峨嵐山駅といえば、山陰本線の旧線を活用した嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵐山駅」と隣接する駅でもあります。
嵯峨野観光鉄道は、トロッコ列車を保津川に沿って走らせている人気の観光鉄道です。
嵯峨嵐山駅を出ると程なくして、JR園部行の列車の前には山々が迫り。トンネルに入り山を貫いていきます。
トンネルを出ると車窓には保津川がつくりだす保津峡が展開。シャッターを切ろうと思うとそんな間もなくとまたトンネルへ。
出ると保津峡の川の上にある駅の嵯峨駅を過ぎ、またトンネルへ。
その後も、トンネルとトンネルの間の数秒ながら、雄大な保津峡が車窓に広がる絶景が展開しました。
△トンネルの合間に眼下に展開する保津峡
嵐山の渓谷美が途切れJR嵯峨野線(JR山陰本線)の列車は丹波地方に入っていきます。車窓は田畑と家々が連なるのんびりした風景に一変。
住宅街を抜けていくと、城下町の趣を残す亀岡駅。亀岡は、1578年に明智光秀によって築城された亀山城を中心に発展したエリア。
△のんびりした農村風景がつづく亀岡盆地
亀岡駅を出ると、右車窓に広大な田んぼが連なりその向こうには霧に煙る山並みがつづきました。並河駅、千代川駅と停車していき列車は亀岡盆地を北西に走っていきます。
保津川の流れを実ながら松茸とかかれた看板を過ぎて八木駅。八木駅の界隈は山陰道の宿場町として栄えたエリアです
連なる山々と田んぼに小さな集落。京都縦貫道八木西ICの文字が見え、JR嵯峨野線(JR山陰本線)園部行の列車はカーブを舞いながら山の中に分け入っていきます。
吉富駅から2kmほど走ると、次第にまちが広がってきて、終点の園部駅に到着。
△車窓には山々と田んぼの緑が映える
園部は元和5年(1619年)に小出氏が築城した園部城を中心に発展した城下町です。園部駅では、隣ホームに福知山行の列車(223系電車)が停まっていました。
急いで乗り換えです。
(停車駅)京都駅、梅小路京都西駅、丹波口駅、二条駅、円町駅、花園駅、太秦駅、嵯峨嵐山駅、保津峡駅、馬堀駅、亀岡駅、並河駅、千代川駅、八木駅、吉富駅、園部駅