△博多と大分方面を結ぶJR九州の特急列車「青いソニック号」
JR九州には個性的で特急列車が多く走っています。そのひとつとして特筆すべきは福岡県と大分県を結ぶ「特急青いソニック号」です。
<「青いソニック」のコンセプトと列車名の由来は?>
JR九州を走る特急青いソニック号に使用されている車両(833系電車)。その外観はまるで外国の列車のよう。
そのSFに登場するような奇抜な車両のコンセプトは「大人のwonderland express」。車両そのものが驚きと楽しさが込められているのです。
ちなみに、列車名の「ソニック」はSONIC(音速の意味)由来しており、その名の通りスピード感ある車体に仕上げられています。
JR九州を走る特急「青いソニック号」は、その形状も然ることながら色彩も個性的。
車両のベースカラーは深みのあるメタリックブルーで、沿線に広がる海の青色がイメージされています。JR九州の特急列車「特急青いソニック号」の車内は白色の壁に薄い茶色のフローリング。
ドアの赤色やメタリックブルーがアクセントになっていて、全体としてビビッドかつモダンな印象の車内にまとめられています。
△JR特急青いソニックの車端部には荷物置き場も設置
<JR特急青いソニック号の座席>
JR九州を走る特急青いソニック号には、自由席、指定席、グリーン車があります。全体として採光がよく明るい雰囲気で、座席は耳のような形をしていてユニークなのが特徴。
普通車の座席(自由席、指定席)はモケットシートと本革製のヘッドレストにまとめられています。
△JR特急青いソニック号(普通車)のシート
グリーン車はヘッドレストとシートが本革製で落ち着いた雰囲気。電動リクライニングシートになっていてゆったり優雅な列車の旅を楽しめそうです。
△JR九州の特急列車青いソニック号のグリーン車シート
<車窓の見どころ、沿線の観光スポットほか>
JR特急ソニック号(青いソニック号、白いソニック号)は博多駅〜大分駅間を1時間あたりおよそ上下各2本運行しています。JR博多駅〜JR大分駅間の所要時間は約2時間です。
△まるでSF映画から飛び出てきたような独創的なデザインのJR特急青いソニック号
九州最大のターミナル駅JR博多駅を出発したJR九州の特急青いソニック号は、JR鹿児島本線を北上していきます。
JR香椎線の乗換駅であるJR香椎駅、遠賀川を渡り駅弁「かしわめし」で有名なJR折尾駅に停車。
JR黒崎駅を出ると、右車窓にスペースワールドの観覧車やジェットコースターが見え、JR戸畑駅付近では左車窓に赤い若戸大橋が洞海湾に架かるのが眺望できます。
臨海部に北九州工業地帯の工場群を映しだしていくと、JR九州の特急「青いソニック号」は福岡県北九州市の中心地であるJR小倉駅のホームに滑り込みます。
△福岡県北九州市にあるテーマパーク「スペースワールド」。テーマは「宇宙」
「小倉名物かしわうどん」の看板が目に留まるJR小倉駅ではJR九州の特急列車「特急青いソニック号」は進行方向を変え、JR日豊本線を南東方向へ。
JR西小倉駅まで戻り、左に大きくカーブを描いて新幹線の高架やJR鹿児島本線の線路と分かれていきます。
JR九州の特急列車「青いソニック号」は、制御振り子式車両。線路がカーブを描くときもスピードを極端に緩めることなく滑らかな乗り心地を楽しめます。
車窓は次第に田んぼや山の緑が車窓を占めるのどかな風景になっていきます。JR椎田駅を通過すると、左車窓に周防灘が顔を出しはじめます。
高架をあがっていき左に中津城が見えるとJR中津駅に停車。中津は福沢諭吉が育った地として知られる城下町。
武家屋敷や寺社仏閣が多い歴史の香るまちです。
JR中津駅を出て高架を降りていくと、車窓には広大な田んぼが豆畑が連なり、JR九州の特急列車「青いソニック号」は国東半島の緑のなかをスピーディーに駆け抜けていきます。
△青々した豆畑が広がる国東半島をゆく
朱塗りの駅舎が印象的なJR宇佐駅は全国に4万社近くある八幡宮の総本社 宇佐神宮の最寄り駅(駅から路線バスで約8分)。
宇佐神宮は神亀2年(725年)に本殿が立てられたのが起源だと伝えられる古社です。
△朱塗りの柱など駅舎にも特徴があるJR日豊本線のJR宇佐駅
JR宇佐駅を出ると、USA(宇佐)という文字が小高い山に掲げられているのを見て、JR中山香駅を通過すると人家が次第にまばらになっていきます。
渓流を渡りトンネルを抜けるとJR杵築駅。杵築は応永元年(1394年)に木付頼直によって建てられた杵築城を中心に発展した城下町。
まちには白壁土蔵の古い商家が軒を連ねます。ハウスみかんが特産物です。
しばらく緑がつづく車窓ですが、暘谷駅を通過すると、左車窓には車道を隔てて広々した海が広がります。海岸線の向こうに別府のまちなみが近づいてきます。
高架を上がっていき大型の温泉旅館が軒を連ねるとJR九州の特急列車「青いソニック号」JR別府駅に停車。
JR別府駅の駅前には手湯があるほか、徒歩圏内に共同湯もいろいろあるので、ぜひ途中下車して入浴を楽しみたいところ。
△JR別府駅前にある手湯
(別府温泉とは)
別府温泉は日本一の湧出量を誇る温泉地。まちの至るところから温泉が湧きだしています。
源泉の数や泉質数も多く、地獄めぐりはじめレジャースポットもいろいろあり、湯浴み客を飽きさせない魅力を秘めています。
高浜虚子や与謝野晶子ら文人墨客も愛された温泉で、その湯煙が立ち込めるまちなみ(別府湯けむり)は「21世紀に残したい日本の風景百選」で富士山に次いで全国2位に選出されました。
(別府温泉の宿泊情報)
・
・楽天で別府温泉の人気宿(ホテル・旅館)を探す
JR別府駅を後にすると、JR九州の特急列車「青いソニック号」は程なくして瓦屋根木族のJR東別府駅を通過。
左車窓には広大な別府湾が広がります。高崎山自然動物園や水族館うみたまごを過ぎ、海岸線をなぞっていくと大分市内の臨海工業地帯が見えてきます。
△開放的な別府湾の海景が車窓に広がる
終点のJR大分駅では、由布院や日田へ向かうJR久大本線や、豊後竹田や熊本へつづくJR豊肥本線は乗り換え。
なお、特急ソニック号の大半はJR大分駅が終点ですが、一部列車はJR日豊本線をさらに南下しJR佐伯駅まで向かいます。
<JR九州の特急ソニック号>
(JTBの特急ソニック号に乗車するツアー情報)
※乗車するJR特急ソニック号は青いソニック号だけでなく白いソニック号の場合もあり
・
・
(列車時刻表):ジョルダン
・JR博多駅の列車時刻表はこちら・JR小倉駅の列車時刻表はこちら
(特急ソニック号の停車駅)JR博多駅〜JR大分駅間
博多駅、(吉塚駅)、(香椎駅)、(福間駅)、(東郷駅)、(赤間駅)、折尾駅、黒崎駅、(八幡駅)、(戸畑駅) 、小倉駅、(下曽根駅)、行橋駅 、(宇島駅)、中津駅、(柳ケ浦駅)、(宇佐駅)、(杵築駅)、(亀川駅)、別府駅 、大分駅