△JR岩徳線を走るJR西日本のキハ40系気動車
JR岩国駅(山口県岩国市)とJR徳山駅のひとつ手前のJR櫛ケ浜駅間は、海側を走るルートと内陸部を走るルートに分かれています。
JR岩徳線は、そのうち、JR周防高森駅を経て内陸部ルートを走る路線です。
JR岩徳線ルートは距離でいえば、海辺をいくJR山陽本線ルートよりも短いのですが、勾配のある山間部を走ります。
ですから昔ながらの気動車(キハ40・47など)が1〜2時間に1本ほど運行するのみの、ローカル色の強い路線にとどまっています。
JR岩徳線でJR徳山駅からJR岩国駅まで移動してみました。
JR徳山駅を発車したJR岩徳線岩国行の普通列車は、しばらく新幹線高架の下を走り右車窓に出光石油化学のコンビナートを映しながらJR櫛ケ浜駅へ。
△JR徳山駅のホームに停車するJR西日本のJR岩徳線普通列車
JR櫛ケ浜駅からは山陽本線のレールが右に分かれていき徳山市内の住宅街をのんびり縫っていきます。
山陽新幹線の高架をくぐるとJR周防花岡駅に停車。JR周防花岡駅からしばらく新幹線高架の下を走りJR生野屋駅を出ると再び山陽新幹線高架をくぐります。
△JR西日本の岩国行普通列車の座席は昔ながらのボックスシート
高架の上から轟音が聞こえ山陽新幹線の列車があっという間にJR岩徳線の2両編成気動車を追い抜かしていきます。
しかし、そのスピードと対極にあるような、JR岩徳線ののんびりとした鉄道の旅も味わいがあってなかなかよいものです。
△山陽新幹線の高架と車窓に広がる緑
山陽新幹線の高架が見えなくなるとJR岩徳線の気動車は緑の中を走り 右車窓に鳥帽子岳の山裾に広がるまちなみを見下ろしながらトンネルをくぐっていきます。
トンネルから出ると竹林に隣接したJR周防久保駅に停車。さらに山に囲まれた小さな集落と田んぼのなかを抜けJR大河内駅、JR勝間駅と停まっていきます。
△列車は山に囲まれた小さな集落を過ぎていく
トンネルをくぐり右手に周南市の街並みが広がってくるとJR高水駅。
JR高水駅は三丘温泉の玄関口で温泉まで車で7分ほど。「バーデンハウス三丘」では日帰り入浴も可能。八代のつる飛来地もJR高水駅から北西八キロの距離にあります。
JR高水駅を出るとJR岩徳線岩国行の普通列車は再び山の緑の中へ。緑のなかに点在する家々眺めたあと全長1410mの中山トンネルを貫いていきます。
トンネルから出て高台を走り、右手には島田川の流れを映しながらJR米川駅へ。この界隈は重層な瓦屋根を構えた古い民家が目立ちます。
JR米川駅からもJR岩徳線岩国行の普通列車はなおも島田川と並行して走り、川が遠ざかると次は 広々した田園風景が開けてきます。
人家が増えてくるとJR周防高森駅に停車。
△清らかな川の流れと山に囲まれて広がる集落
JR周防高森駅からは住宅地と田んぼを縫いJR玖珂駅、JR欽明路駅を停まると、JR岩徳線岩国行の普通列車は全長3149mの欽明路トンネルに入ります。
なかなか出口が見えない長いトンネル。ようやく出ると右車窓に古い民家群をうつしだされ五瀬ノ湖から流れ出る桂野川の流れが見えます。
桂野川を鉄橋で渡るとJR柱野駅です。
△山口県岩国市内を流れる錦川の流れを渡る
JR柱野駅を出てトンネルをくぐると左手から錦川清流鉄道の線路が合流してきて全長685mの道祖峠トンネルをくぐり山を貫いていきます。
まちが開けると川西駅。程なくして雄大な錦川を渡り右にカーブを描いてJR西岩国駅に停車。
JR西岩国駅は、現在は利用者の少ない無人駅になりましたが、かつては岩国の表玄関口でした。JR西岩国駅(旧岩国駅)の駅舎は往時を思わせる、大正ロマンあふれる木造のモルタル造り。
国の登録有形文化財にも登録されている名駅舎で、一見の価値があります。
△かつて岩国の表玄関口であったJR西岩国駅(旧岩国駅)
なお、岩国随一の観光名所である五連アーチの木造橋「錦帯橋」はJR西岩国駅から徒歩25分ほどの距離にあります(路線バスも運行しています)。
(宿泊情報)
△日本三大名橋のひとつ「錦帯橋」はJR西岩国駅から約1.8kmの距離
(地図)JR西岩国駅から錦帯橋までのルート
JR西岩国駅を出ると、JR岩徳線岩国行の普通列車はアパートやマンションが林立する岩国市内の住宅地を抜け4km弱走って終点のJR岩国駅に到着します。
(列車時刻表)JR岩徳線の列車時刻表はこちら
(JR岩徳線の全駅)
※徳山駅、櫛ケ浜駅、周防花岡駅、生野屋駅、周防久保駅。大河内駅、勝間駅、高水駅、米川駅、周防高森駅、玖珂駅、欽明路駅、柱野駅、川西駅、西岩国駅、岩国駅 ※JR徳山駅〜JR櫛ケ浜駅間はJR山陽本線