△JR岡山・茶屋町駅〜JR宇野駅を結ぶ 宇野みなと線の普通列車
まだ瀬戸大橋が架かっていなかった時代、本州から四国へ渡るには、岡山県玉野市の宇野港から宇高連絡船のフェリーに乗って約18kmの船旅を経て高松へ向かうのが最もポピュラーな交通手段でした。
ですから、宇野港の最寄り駅であるJR宇野駅へ至るJR宇野みなと線(JR宇野線)には寝台特急など優等列車も走り華やいでいました。
しかし、昭和63年(1988年)に瀬戸大橋が児島(岡山県倉敷市)と坂出(香川県坂出市)間に結ばれ、沿線を取り巻く環境は一変。
本四連絡線の役割はJR瀬戸大橋線に移り、JR宇野線(宇野みなと線)を走る列車の本数や種類は大幅に縮小されていったのでした。
ローカル色が強くなったJR宇野みなと線(JR宇野線)には、日中は1時間に1本ほどのダイヤで普通列車が運行しています。
JR宇野線)(宇野みなと線)には2015年現在、213系電車や115系電車が主に活躍しています。
213系電車はかつて「快速マリンライナー」「快速備讃ライナー」として活躍していた車両で、ステンレスの車体には海をイメージした青色と水色のラインが入っています。
△JR宇野みなと線に走る、かつて快速マリンライナーだった車両213系電車
なお、JR宇野みなと線(JR宇野線)といえば、2016年春から、「トランク(旅行鞄)」をモチーフにした観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」も走りはじめる予定。
宇野港は瀬戸内芸術祭の舞台「直島」の玄関口でもあり、沿線に話題が生まれそうです。(宇野線の観光列車「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」の記事はこちら)
<JR宇野線(宇野みなと線)車両>
JR宇野線(宇野みなと線)はJR岡山駅とJR宇野駅間の32.8kmを結ぶ路線。一部はJR岡山駅まで直通運転されますが、多くはJR宇野駅〜茶屋町駅間で折り返しとなります。
茶屋町駅に待っていたのは、かつて快速マリンライナーとして活躍していた213系電車。3両編成のワンマンカーで座席は転換クロスシートになっています。
△JR宇野みなと線を走る213系電車の車内
<JR宇野線(宇野みなと線)車窓の概要>
高架駅であるJR茶屋町駅を出ると、JR宇野みなと線(JR宇野線)宇野行き普通列車は、複線のJR瀬戸大橋線(本四備讃線)のレールと分かれて高架を下りていきます。
しばらくして左車窓には田んぼが連なり始めます。郷内川を渡り21号線の車道をくぐるとJR彦崎駅に停車。
左手に倉敷川の流れをかすめ住宅地を抜けるとJR備前片岡駅。カーブを舞うと、長い直線の線路が延び、その先には麦飯山が見えています。
左車窓はのどかな田んぼ。JR迫山駅、JR常山駅と過ぎ30号線の高架をくぐり鴨川を渡ると、左手にカーブを描き、麦飯山や高旗山の山裾を走っていきます。
人家が増えてきてJR八浜駅に停車。
△JR宇野みなと線を走る113系電車と麦飯山に向かって延びるレール
JR八浜駅から西へ200mほど行ったところにある硯井天満宮は、菅原道真が太宰府へ行く途中に立ち寄ったという言い伝えが残されている地。
カーブを舞い緑が迫ってJR宇野みなと線(JR宇野線)の列車はトンネルに入ります。トンネルから出るとまちが広がりJR備前田井駅。
やや高い地点から玉野市のまちなみを見渡しながら列車は走っていきます。
右手に天狗山の緑を見ながら住宅地を抜けていくと、JR宇野みなと線(JR宇野線)の普通列車は終点のJR宇野駅に到着します。
(ジョルダン時刻表)JR宇野みなと線(JR宇野線)の列車時刻表:JR岡山駅、JR茶屋町駅
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JR宇野駅はエキゾチックな雰囲気の駅舎で終着駅らしい風格を備えています。
△JR宇野線の終着駅 JR宇野駅の外観
改札口を出ると宇野港までは160mの距離。
宇野港からは、瀬戸内芸術祭で知られる直島や二十四の瞳の舞台 小豆島はじめ瀬戸内海の島々や高松へ向かうフェリー出航しています。
なお、JR宇野駅から東へ5分ほど歩くと、日帰りで天然温泉を楽しめる「瀬戸内温泉たまの湯※」もあります(※瀬戸内温泉「たまの湯」:大人1500円〜。小人650円 営業時間10:00〜23:00※最終受付は22時 第3火曜休※祝日の場合翌日)