△西舞鶴駅に停車する京都丹後鉄道(丹鉄)の丹後あかまつ号
京都丹後鉄道(丹鉄)を走る観光列車「丹後あかまつ号」。
その車内は、海に向いた座席や丹後ちりめんを展示した棚があるなど、ドーンデザイン研究所代表の水戸岡鋭治氏デザインによる木のぬくもりにあふれる空間。
西舞鶴〜天橋立〜豊岡間を83.6kmを約2時間30分かけて結んでいます。
先日、そんな京都丹後鉄道(丹鉄)の観光列車「丹後あかまつ号」に乗って丹後半島を旅しました。
<乗車記@:西舞鶴〜天橋立>
10時22分に西舞鶴駅を出発の京都丹後鉄道の「丹後あかまつ号」。女性の姿も目立ちます。
京都丹後鉄道「丹後あかまつ号」にはアテンダントが乗車しており、記念乗車証を配布したり、観光案内をしたりコーヒーや軽食を運んだりと大活躍。
京都丹後鉄道(丹鉄)の西舞鶴駅を出ると、愛宕山を右に山に挟まれた田園地帯を走っていきます。ナラ材を中心とする木の心地よい振動が伝わってきます。
△のんびりした丹後半島の緑が車窓を流れていく
トンネルをくぐり右手にまちなみを見下ろす高台にあがって四所駅。丹後神崎駅を出ると、大きくカーブを描き列車は全長552mの由良川鉄橋を渡っていきます。
一本にのびるダイナミックな鉄橋。車窓には陽光を受けてキラキラ輝く美しい川面がいっぱいに広がりました。
そのとき「丹後あかまつ号」は速度落として由良川鉄橋を渡っていきます。そんなはからいも心温まります。
△丹後神崎〜丹後由良間に通る、全長552mの由良川鉄橋
その界隈は、森鴎外の小説「山椒太夫」の舞台。安寿が潮を汲んだ由良浜も広がります
京都丹後鉄道(丹鉄)の丹後由良駅を出るとから右手に由良岳が座り田畑を抜け右に高台に上がり、トンネルを貫くと再び紺碧の海(栗田湾)が広がります。
奈具の海岸線。まさに「海の京都」が味わえる絶景。列車は徐行。
勾配を下りていると古い屋根瓦のまちなみを映して栗田駅(くんだ)次第にまちなみが広がってきて宮津駅です。
宮津からは時折海を映し出しながら海岸線のまちなみを抜けて天橋立駅に到着します。
△京都丹後鉄道(丹鉄)沿線随一の絶景「栗田湾」の海景
(宮津の宿泊情報)
京都丹後鉄道沿線は、カニも宮津港では松葉ガニの漁期が11月6日〜3月20日で、宮津市内の旅館や民宿では、新鮮なカニ料理を味わうことができます。
なかでも、徒歩10分ほどに立つ料亭旅館「宮津温泉 料理旅館 茶六別館」のカニ懐石料理は人気。同旅館では宮津温泉の温泉も楽しむことができます。
京都丹後鉄道の天の橋立駅は、日本を代表する景勝地のひとつ「天橋立」の最寄り駅。京都から特急はしだて号も乗り入れています。
天橋立は松島(宮城県)、宮島(広島県)と並び、日本三景のひとつに数えられる風光明媚な地、
△遊覧船が停泊する天橋立 運河付近の風景
宮津湾を横切る全長約3.6kmの細長い砂嘴には、約8000本の黒松の木々が連なり白砂青松の風景が続いています。
「三人寄れば文殊智恵」で知られる日本三文殊のひとつ「智恩寺文殊堂」やその門前町など京都丹後鉄道(丹鉄)の天橋立駅から徒歩圏内にも見どころもたくさん。
天橋立桟橋からは天橋立を隔てた対岸の一の宮桟橋まで遊覧船も運行しています。
△智恵の神様として親しまれている天橋立の智恩寺
(天橋立温泉の宿泊情報)
天橋立には温泉も湧いており、温泉宿が連なるほか京都丹後鉄道(丹鉄)の天橋立駅前には、立ち寄り湯の「智恵の湯」もあります。
天橋立には温泉(天橋立温泉)の湯はややぬめりのある湯(ナトリウム炭酸水素塩泉)で「美肌の湯」とも称される肌にやさしい湯。
天橋立らしい和風宿が好みの方は、天橋立運河のほとりに立つ「文珠荘」がおススメ。
文珠荘では、野趣あふれる茶庭風の露天風呂、丹後の旬の味覚を石窯料理、日本庭園、純和風の客室などが旅の疲れを癒してくれることでしょう。
△京都丹後鉄道(丹鉄)の天橋立駅から徒歩4分ほどに立つ文珠荘の露天風呂(天橋立温泉)
<乗車記A:天橋立〜豊岡>
京都丹後鉄道(丹鉄)の天橋立駅を後にすると、豊岡行の京都丹後鉄道「丹後あかまつ号」は、丹後半島の付け根の部分を走っていきます。
前方から少しずつ山が近づいてきて、海から離れていきます。岩滝口駅を出るとトンネルを抜けてのどかな農村地帯を走り田んぼの横に立つ与謝野駅。
△アテンダントも乗車しひときわ華やかな雰囲気の「丹後あかまつ号」の車内
「丹後ちりめんの里」の看板が見えます。京都丹後鉄道(丹鉄)の京丹後大宮駅からは田んぼとまちがまさりあう界隈を進み峰山駅。
田んぼと山々の風景が車窓に流れ、夕陽ヶ浦木津温泉駅、久美浜駅といった観光地の玄関口が過ぎていきます。深い山の中に入りこうのとりの郷駅。
△丹後あかまつ号の記念乗車証。良い記念になりそう
兵庫県豊岡市は天然記念物のコウノトリが野生で生息しているエリアであることでも知られコウノトリの郷公園もあります。
山を抜けると、市街地が広がってきて、京都丹後鉄道の「丹後あかまつ号」は終点の豊岡駅に到着です。豊岡は兵庫県但馬地方の中心地。
日本有数のカバンの産地で街中には、豊岡鞄の専門店が多く集まっています。グルメでは但馬牛や津居山カニなど知られます。
△京都丹後鉄道(丹鉄)の西舞鶴駅〜豊岡駅を往復する「丹後あかまつ号」
<丹後あかまつ号の乗車料金、予約など>
丹後あかまつ号に乗車するは、乗車券に加え、乗車整理券(310円)が別途必要です。
乗車整理券は福知山駅、西舞鶴駅など指定駅、主な旅行会社(JTB、日本旅行、近畿日本ツーリスト)、または、京都丹後鉄道のHPより予約可能。・丹後あかまつ号の列車時刻表はこちら