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△寝台特急「サンライズ瀬戸」・「サンライズ出雲に使用されている車両

2016年春、北海道新幹線が開通することを受け、上野〜札幌を結ぶ寝台特急「カシオペア」が廃止になることが発表されました。
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ここ10数年で、高速バスや整備新幹線に押され日本を走る寝台特急は次々と姿を消していき、ついに東京から北へ向かう寝台特急は全て消滅してしまいました。

「カシオペア」「北斗星」はじめ寝台特急が鉄道史の一時代を築き、鉄道旅の魅力を高めてきた立役者だというのは間違いないでしょう。

定期運行する寝台特急は、あと残すところ、東京〜出雲市を結ぶ、「サンライズ出雲」と東京〜高松・琴平を結ぶ「サンライズ瀬戸」のみとなってしまいました。

残された寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」はどのような寝台特急かというと、女性客にも根強い人気である列車であることがしばしば話題になっています。
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赤とクリーム色を配したやさしい色合いの車体。

車内には、A寝台「シングルデラックス」、B寝台「サンライズツイン」、「シングルツイン」、「シングル」があり、それぞれ木目調を生かした明るい色調の空間。

また、寝台料金不要のカーペット敷きの座席「ノビノビ座席」と呼ばれるカーペット敷きの座席を配した車両も連結しています。

老朽化したブルートレインとは性質を異にし、正に「走るホテル」という表現がぴったりの寝台列車です。
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△カーペット敷きのノビノビ座席も若者を中心に人気

寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、東京駅〜岡山駅までは連結して走ります、明朝、岡山駅で切り離し作業が行われます。

「サンライズ出雲」はJR伯備線に入り島根県の出雲市駅に向かいます。出雲市駅からは、路線バスまたは一畑電鉄で、出雲大社にアクセスすることができます。

一方のサンライズ瀬戸は、岡山駅からJR瀬戸大橋線に入り瀬戸大橋を渡って四国に入り、JR予讃線を走って香川県の高松駅まで向かいます。

なお、繁忙期を中心に、高松から金刀比羅宮の最寄り駅である琴平駅まで臨時運転されることもあります。
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△寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は二階建て構造

・停車駅ほか「サンライズ出雲」の詳細記事はこちら 

・停車駅ほか「サンライズ瀬戸」の詳細記事はこちら

鉄道の旅もそのスタイルが多様化してきました。ただ、個人的には、目的地に到着するまでの道中を味わうのも旅の醍醐味ではないかと考えています。

単に目的地に早くリーズナブルに到着することだけ考え効率よく観光地を廻っても、意外と味気ないもの。

車窓に流れる風景を時間をかけて楽しみ、友達や家族と語らい、レールの先にやってくる街に思いを馳せ、朝陽や夕陽に感動をし、自身と向き合い人生を考える・・

そういった目的地に到着するまでの列車内で過ごす時間に、列車旅の大きな魅力があるような気がするのです。

そんな特別な時間をたくさんつくってくれるのが寝台特急という存在ではないかと思います。

定期運行する寝台特急も残すところ「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のみになりました。

高速化・効率化に傾倒した時代の波に呑まれることなく、末永く走り続けて欲しいものです。