△元京阪3000形電車。富山地鉄の「特急うなづき号(ダブルデッカーエクプレス)」
富山地方鉄道(富山地鉄)といえば、昭和の時代を彩った名車両が第二の人生を送っている鉄道路線であることでも知られてます。
元西武鉄道のレッドアローや元京阪電鉄特急ほか、鉄道ファンのみならずそのレトロな車両を目にしたとき昔懐かしさにホッとさせられるに違いありません。
電鉄富山駅〜宇奈月温泉を結ぶ全長53.3kmの富山地鉄本線には、快速急行列車、急行列車、普通列車のほか、1日2〜3本ほど特急列車「特急うなづき号」も運行しています。
「特急うなづき号」の使用車両のひとつが、かつて京阪3000系特急電車「テレビカー」として活躍していた10030形電車です。
元京阪3000系特急電車「テレビカー」は1970年代に製造された車両で、40年近く京阪電鉄で特急列車の主役として活躍した後、富山地方鉄道(富山地鉄)に譲渡されました。
富山地方鉄道(富山地鉄)は北陸新幹線開通を契機にさらに2013年にはダブルデッカー車両(サハ31)の譲渡も受け「ダブルデッカーエキスプレス」として特急列車を中心に運行をスタートしました。
△「特急うなづき号」(ダブルデッカーエキスプレス)自由席車両の外観
「特急うなづき号」(ダブルデッカーエキスプレス)の外装は赤茶色と黄色の2トンカラー。
シンボルマークの鳩マークやダブルデッカー車両に描かれた時代祭のイラストなど、京阪電鉄特急列車の主役として活躍していた時の姿そのままです。
富山地鉄の「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)は通常期は3両編成で運行されています。
そのうち2両は自由席車両で、その中間に指定席車両(ダブルデッカー車両)1両が連結されています。
「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)自由席車両の座席は全座席転換式クロスシート。シートピッチは900mmです。
乗車するには、乗車券に加え特急料金(大人210円 / 小人110円)が必要となります。
△富山地鉄「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)の自由席車両の座席
一方のダブルデッカー車両は2階建て車両(車端部は1階建て)で座席指定になっています。
座席は固定クロスシート(車端部は転換式クロスシート)で、特に2階席は通常車両よりも1mほど視点が高いだけに、ワイドなパノラマ車窓を楽しめると高い人気を誇っています。
△富山地鉄「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)の指定席車両の座席(2階席)
階下席はシートピッチが広くてゆったりした空間。ユニークな車窓が展開します。
ダブルデッカー車両に乗車するには、乗車券、特急券に加え、座席指定券(220円)が必要となります。
△富山地鉄「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)の指定席車両の座席(階下席)
宇奈月温泉、立山、岩峅寺といったさまざまな方面に向かう列車が一同に会するターミナル駅である富山地方鉄道の電鉄富山駅。
12時8分発の宇奈月温泉行「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)の指定席車両(ダブルデッカー車両)に乗り込みました。
△富山地鉄の「特急うなづき号」ダブルデッカーエクスプレスは、2階建て車両が指定席車両になっている
右手には残雪の山並み。前方からをは3000m級の山々が連なる立山連峰が近づいてきます。電鉄富山駅を出て11分ほど走った後、レトロな木造駅舎を構える寺田駅に停車。
△木造の駅舎に歴史を感じさせる寺田駅
寺田駅もそのひとつですが、富山地方鉄道(富山地鉄)の路線には、大正時代〜昭和初期に立てられた駅舎が多く現存しているのも魅力的。
映画「RAILWAYS愛を伝えられない大人たちへ」のロケ地となったスポットも点在しています。
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「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)が寺田駅の次に停車する上市駅はスイッチバック駅。列車の進行方向が変わります。
上市駅を出ると、右車窓には雪をかぶる山並みが屏風のように連なりました。標高3015mの大汝山を主峰とする立山連峰です。圧倒的なスケール。
人家が増えてきて、「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)は中滑川駅に停車。中滑川駅を出たあたりから左車窓に日本海が見え始めました。
早月川を渡りミラージュランドの観覧車を遠望しながら次は小高い高台を走っていきます。
右車窓には黒瓦を構えた家々が目立つ魚津のまちなみが広がりその向こうに連なる立山連峰。素晴らしい構図に息を呑みます。
△車窓に広がる黒部市のまちなみと立山連峰
「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)は電鉄魚津駅に停車後、ほどなくして新魚津駅に停まります。
新魚津駅は、あいの風とやま鉄道の乗り換え駅です。あいの風のレールが右に分かれていくと 左には再び日本海が見え隠れしはじめます
右に大きくカーブを描き、海から離れるとあいの風とやま鉄道の線路と交差して電鉄黒部駅に停車。7分ほど走ると北陸新幹線の乗換駅である新黒部駅です。
新黒部駅を後にするとのんびりした農村地帯が広がり、次第に山が両側から迫ってきます。
下立口駅を通過したあたりから勾配がぐんぐん上がり、「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)は深い山の中へ。
杉木立を縫い、トンネルをくぐって愛本駅、内山駅、音沢駅と通過。黒部川の向こうには残雪の山。再びトンネルをくぐると宇奈月温泉の旅館が連なりはじめ、終点の宇奈月温泉駅のホームが見えてきます。
電鉄富山駅〜宇奈月温泉駅の所要時間は約1時間10分です。
△駅前にある温泉噴水が湯けむりを上げる、富山地鉄の宇奈月温泉駅
宇奈月温泉は北陸を代表する温泉地のひとつ。駅を出ると黒部川がつくりだす渓谷に沿って温泉街が広がっています。足湯やカフェ、美術館なども点在し遊歩道も整備されています。
富山地鉄の「特急うなづき号」(ダブルデッカーエクスプレス)に乗って宇奈月温泉に訪れたは日は、宇奈月温泉駅から徒歩3分ほどにある宇奈月温泉 宇奈月 杉乃井ホテル(旧:宇奈月温泉 宇奈月ニューオータニホテル)で日帰り入浴(〜16:00)を楽しみました。
眼下に峡谷の自然を眺めながら源泉風呂に浸かり、その清澄であたたかい湯が旅の疲れを心地よく癒してくれました。
△日帰り入浴もできる宇奈月温泉の人気温泉宿「宇奈月 杉の井ホテル」(旧宇奈月ニューオオタニホテル)
(楽天トラベル)
・宇奈月温泉 宇奈月 杉乃井ホテル(旧:宇奈月温泉 宇奈月ニューオータニホテル)
<富山地鉄「特急うなづき号」DATA>
(特急料金)大人210円 / 小人110円
(座席指定料金)220円
(列車時刻表)富山地鉄の列車時刻表http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=18889
(停車駅)電鉄富山駅、寺田駅、上市駅、中滑川駅、電鉄魚津駅、新魚津駅、電鉄黒部駅、宇奈月温泉駅