△博多〜宮崎空港間を結ぶJR九州(九州旅客鉄道)の特急にちりんシーガイア号
「特急にちりんシーガイア号」は、JR鹿児島本線とJR日豊本線を経由し、福岡県の博多駅〜宮崎県の宮崎空港駅間を結ぶJR九州(九州旅客鉄道)特急列車です。
「にちりんシーガイア」という列車名は、太陽を表す「日輪(にちりん)」と宮崎市のリゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」に由来しています。
その車両には、783系電車や787系電車などが使われていますが、ここではJR特急にちりんシーガイア号(783系電車)について述べたいと思います、
JR特急にちりんシーガイア号(783系車両)は国鉄からJRに移行した直後の1988年にJR初の新型特急車両と登場しました。
愛称は「ハイパーサルーン」。先頭車両は前面展望をよくするために、大型全面窓が設けられていたり、20pほど高いセミハイデッカー仕様になっているなど、観光向けの特急車両として注目を集めました。
以降、国鉄時代に製造され老朽化した485系車両と順次、置き換えが進められていきました。
△「ハイパーサルーン」の愛称を持つJR九州(九州旅客鉄道)の特急にちりんシーガイア号(783系)
JR特急にちりんシーガイア号(ハイパーサルーン)の各車両は客室が2つに分けられているのも特徴。
先頭車両の1両はグリーン車+普通車指定席になっており、それ以外の車両は普通車指定席車両と普通車自由席車両で構成されています。
JR特急にちりんシーガイア号(ハイパーサルーン)の外観はステンレスの車体に緑色、青色、赤色の塗装がアクセントとして入っています。JR九州らしい独創性のある車両です。
座席は全席リクライニングシート。座席が20pほど高いセミハイデッカー仕様になっているなど、窓外の景色を楽しむための工夫が凝らされています。
普通車(自由席、指定席)の座席配置は2列+2列で、床はカーペット敷き。
足元にはフットレストも設けられ、シートピッチは960oとゆったり。座席のモケットは黄色、赤、緑色などカラフルなものや、グレーに統一された落ち着いた色調のものがあります。
グリーン車は前面展望を楽しめる車両。木目調の落ち着いた内装で、座席は2列+1列の配置になっています。
モケットはグレーを基調にした落ち着いた色調にまとめられ、シートピッチは1200oと普通車(指定席、自由席)より更にゆったり感があります。
△JR九州(九州旅客鉄道)の特急にちりんシーガイア号(783系)の座席
小倉駅では進行方向を変えてJR鹿児島本線からJR日豊本線のレールに入っていきます。中津城が左車窓に見えると大分県で、程なくして中津駅に停車。
宇佐八幡宮の最寄り駅である宇佐駅を過ぎると、JR特急にちりんシーガイア号は国東半島の田園地帯を走り杵築駅へ。左車窓に別府湾が広がりはじめます。
日本一の湯量の多い別府温泉の温泉街を見渡し、海沿いの海岸線に沿って走ると、臨海工業地帯が見えてきて大分駅に停車します。
△車窓には別府湾が広がる
JR特急にちりんシーガイア号は大分駅からはしばらく大分市内の市街地を抜けていきます。臼杵駅を出た辺りから左車窓には夫婦岩などで知られる臼杵湾が広がります。
佐伯駅〜延岡駅間は普通列車が1日3本という難所ともいえる区間。JR特急にちりんシーガイア号(ハイパーサルーン)は険しい山間部を力強く縫っていき宮崎県に入ります。
延岡駅を出ると車窓には工場や古い町並みが過ぎ、再びのんびりした農村地帯に変わっていきます。
市街地が広がる宮崎駅を出ると、JR宮崎空港線に入り、特急にちりんシーガイア号は終点の宮崎空港駅のホームに滑り込みます。
博多駅を出て約5時間50分の長い列車旅もようやく終わる瞬間です。
なお、「にちりんシーガイア」という列車名の由来になっている、「フェニックスシーガイアリゾート」はJR宮崎駅から宮崎交通バスで25分ほど走った海辺に広がるリゾートエリア。
宿泊施設、ゴルフ場、温泉施設、乗馬クラブ、飲食施設などが豊かな自然に囲まれて点在しています。
(フェニックスシーガイアリゾート内の宿泊施設):楽天トラベル
・「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」・・全室オーシャンビューのハイクラスのホテル
・「ラグゼ一ツ葉/コテージ・ヒムカ」・・海に近い家族向けの宿泊施設 松林のなかに立つコテージ
<特急にちりんシーガイア号 DATA>
(列車時刻表)
・博多駅の時刻表 ・小倉駅の時刻表
(停車駅)
博多駅、(吉塚駅)、香椎駅、(赤間駅)、 折尾駅、黒崎駅、(戸畑駅)、小倉駅、行橋駅、(宇島駅)、中津駅、(柳ケ浦駅)、(宇佐駅)、(杵築駅)、別府駅、大分駅、鶴崎駅、臼杵駅、津久見駅、佐伯駅、延岡駅、南延岡駅、(門川駅)、日向市駅、(都農駅)、高鍋駅、佐土原駅、宮崎駅、南宮崎駅、宮崎空港駅