△人気のJR九州(九州旅客鉄道)観光特急列車「かわせみ・やませみ」
特急列車「かわせみ やませみ」は熊本県の熊本〜人吉間を結ぶJR九州の観光特急列車です。JR九州エリアいおいて、11番目のデザイン&ストーリー列車として平成29年3月にデビューしました。
列車名「かわせみ・やませみ」の由来は?
「かわせみ やませみ」という一風変わった列車の名称は、球磨川流域に生息する野鳥「翡翠(かわせみ)」「山翡翠(やませみ)」に由来しています。
人吉側の青く塗装された車両が「かわせみ」、熊本側の緑色の車両が「やませみ」で、それぞれ球磨川の青色と森林の緑色が表現されています。
△球磨川の青色などがイメージされたJR九州の特急列車「かわせみ・やませみ」
車両には、国鉄時代に製造された気動車が観光列車仕様に改造されたものが使われていて、どこか昔懐かしい雰囲気も漂っています。
JR九州(九州旅客鉄道)の特急列車「かわせみ・やませみ」は、熊本地震復興のシンボルとして観光客を熊本に誘致することにも期待されています。
明るく温かみを感じさせる特急列車「かわせみ・やませみ」の内装
JR九州(九州旅客鉄道)の特急列車「かわせみ・やませみ」のデザインは、JR九州の豪華列車「ななつ星」、「或る列車」、富士急行の「富士登山列車」などのデザインを手がけたドーンデザイン研究所(水戸岡鋭治氏が代表)が担当。
その内装は明るく温かみのある雰囲気にまとめられています。
△あたたかみを感じさせる「かわせみ・やませみ」の内装
その秘密は木材がふんだんに使われていること。それらの木材は人吉・球磨地方産の桜、杉、ヒノキなどです。
客室を仕切りには八代産のイ草が、テーブルにはこちらも地元産のヒノキが使われていて、木の香りと美しさを五感を通して味わえる空間に仕上がっているのです。
JR九州の特急列車「かわせみ・やませみ」の座席は、ボックス席、ソファー席、リクライニングシート席、カウンター席、子供席ほか多彩。
観光列車ならではの遊び心満載の座席配置で、車窓に展開する球磨川の風景をさまざまな角度から楽しめるよう工夫が凝らされているのです。
△地元産木材をふんだんに使ったJR九州の特急「かわせみ・やませみ」の内装
JR九州の特急列車「かわせみ・やませみ」において特徴的なことといえば、車両の一角に設けられた「焼酎バー」も特筆すべきポイントです。
焼酎バーでは球磨川の水を使った3種類の焼酎を味わえるようになっています(一杯400円〜)。また土日祝日に運行される列車においては、沿線の食材を使った特製弁当やスウィーツセット等の車内販売もあります。(※一部列車を除く)
車窓にはエメラルドグリーンの球磨川の流れがダイナミックに展開!
△緑の山々に囲まれて流れる「日本三大急流」の球磨川
JR九州の特急列車「かわせみ・やませみ」に乗車して楽しみなのは、その内装は然ることながら、ダイナミックに展開する車窓風景でしょう。
特に八代〜人吉にかけて列車は球磨川に沿って走るため、車窓に映しだされる球磨川の流れがとても美しいです。
深い山々に囲まれた谷間を、エメラルドグリーンの水をたたえて球磨川が雄大に流れていくさまは、まさしく秘境の様相。
都会では観ることができないだろう神秘的な光景です。春は河岸に咲くソメイヨシノが風景に彩を添えてくれて、より一層旅情を高めてくれることでしょう。
△JR肥薩線の車窓風景・球磨川の流れと対岸の桜のコントラストも美しい
なお、車窓の見どころである八代〜人吉間において、列車は途中で球磨川を鉄橋で渡るため、進行方向から見て左側の座席でも右側の座席でも球磨川の流れを車窓に楽しめるようになっています。
同区間における停車駅では一勝地駅が人気。一勝地駅は大正3年に立てられた木造駅舎で味わいがあり、その縁起の良い駅名からスポーツ選手や受験生たちが記念切符を求めに訪れることも。
また、一勝地駅から15分ほど歩いた球磨川流域には、日帰り入浴もできる公共の宿「一勝地温泉 かわせみ」もあり。渓流の瀬音に耳を澄ませながら旅の疲れを癒すというのもまた良いかもしれません。
終点の人吉駅周辺の見どころは?
熊本駅からJR九州の特急「かわせみ・やませみ」に乗車した場合、約1時間半後に、列車は終点の人吉駅に到着します。
△JR人吉駅に停車する「かわせみ・やませみ」(左)と人吉〜吉松を結ぶ「いさぶろう・しんぺい」(右)
人吉は「九州の小京都」とも称される歴史風情を感じさせてくれるまち。かつて相良氏が居城していた人吉城を中心に発展した城下町で、まちの随所に古いまちなみが残されています。
石垣が現存する人吉城跡は、人吉駅前から15分程歩いた球磨川対岸にあります。
△「かわせみやませみ」の終点となるJR肥薩線人吉駅
人吉に行けば湯浴みを楽しむのもおススメ。また、人吉駅前から球磨川沿いにかけて「人吉温泉」が湧き、温泉宿や共同浴場が点在しているのです。
日帰り入浴可能な温泉宿もありますし、共同浴場が多いのが特徴です。人吉温泉の泉質は弱アルカリ炭酸水素塩泉など数種類あり、筋肉痛、神経痛関節痛などに効く目があるとされます。
温泉宿に宿泊してゆっくり人吉の観光をするのもよし、列車の待ち時間を活用して日帰り入浴でしばし旅の疲れを癒すのもよし。
人吉温泉の各温泉宿・共同浴場は人吉駅から徒歩圏内に集まっているだけに、いろいろな楽しみ方をできそうです。なお、温泉宿のなかには、歴史ある温泉宿も少なくなく、例えば、「人吉温泉 人吉旅館」、「人吉温泉 芳野旅館」
といった国登録有形文化財の温泉宿もあります。なお、球磨地方の宿泊情報、温泉情報、人吉の観光情報などに関しては、人吉駅構内にある人吉市観光案内所にて収集することもできるようになっています。
やませみ・かわせみの停車駅、料金、列車時刻表は?
△熊本〜人吉を結ぶJR九州の観光特急列車「かわせみ やませみ」
2017年現在、特急列車「かわせみ やませみ」は1号および2号の2号車が自由席、3号〜6号は全車指定席という風になっています。
いずれの列車も特別急行列車の扱いであるため、乗車するには乗車券に加えて特急券も必要です。全区間(熊本〜人吉)に指定席で乗車する場合、乗車券と指定席特急券の合計金額は片道3270円となります。
なお、2号車に設けられている「やませみベンチシート」に乗車する場合は210円を加算した料金が必要となります。
(列車時刻表)
熊本駅の列車時刻表はこちら/人吉駅の列車時刻表はこちら
(停車駅)熊本駅、新八代駅、八代駅、坂本駅、一勝地駅、渡駅、人吉駅
(車内販売)特急「かわせみ やませみ」には客室乗務員が平日の3号〜6号、土日祝日の2号〜6号に乗務します。それら該当列車に合せて車内販売が予定されています。
まとめ
JR九州の特急列車「かわせみ やませみ」は、木のぬくもりを感じさせる明るい内装や、車窓に展開する球磨川の光景などを楽しめる観光列車です。乗車後は人吉温泉の湯に浸かって羽根をのばすというのもおススメの楽しみ方です。
※以上、2017年4月現在の情報です。車両編成ほか変更になる場合もあるため、詳細はJR九州のホームページ等でご確認ください。