▲富山地鉄の観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)
富山地方鉄道(富山地鉄)は富山県の東部に路線を持つ大手私鉄です。「アルペン特急」(宇奈月温泉〜立山)や「特急うなづき」(電鉄富山〜宇奈月温泉)ほか有料特急列車が走る路線としても知られています。
富山地方鉄道(富山地鉄)では、同鉄道オリジナルの14760形電車のほか、昭和の時代を駆け抜けた私鉄の名車両も活躍しています。
そのうちのひとつに、観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)があります。観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)は1990年代に譲渡された元西武鉄道「レッドアロー号」5000系を、観光仕様にリニューアルした車両。
「アルペン特急」「特急うなづき号」など特急列車の運用に充当され、ときには普通列車として運行されることもあります。
観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)のデザインには、JR九州「或る列車」や京都丹後鉄道「赤松」「青松」などのデザインで知られる水戸岡鋭治氏が担当。
立山連峰ほか車窓に流れる風景を絵画に見立てたあたたかみのある空間に仕上げられています。そこには富山地鉄が舞台となった映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の世界観も込められているのだとか。
▲物語の世界が展開する富山地鉄の観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)の車内
富山地方鉄道(富山地鉄)の観光列車「アルプスエクスプレス」は3両編成での運行。外装は西武鉄道「レッドアロー号」5000系時代の塗装を継承し、内装は木材を多用した観光向けの空間に改造しています。
2号車には、外向きカウンター席、4人掛けコンパートメントシート、カップルシート、ベンチシート、軽食販売スペースが設けられています。木のぬくもりと高級感が感じられ、バラエティ豊かな空間に仕上げられています。
▲木が多用された富山地鉄の観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)の車内(2号車)
1号車、3号車にも床に木材が使用。座席のモケットもカラフルで、明るい雰囲気です。テーブル付きコンパートメントシートや子供用ハイデッキシートも設けられています。
▲明るい色調にまとめられた富山地鉄の観光列車「アルプスエクスプレス」(16010形電車)の車内(1号車)
観光列車「アルプスエキスプレス」としての運行時は、車内では宇奈月ビール、黒部名水サイダー、富山地鉄の鉄道グッズなどの車内販売も行われています。
(アルペン特急の車窓概要)宇奈月温泉〜立山
「アルペン特急」(宇奈月温泉〜立山)は、立山黒部アルペンルートが開通している4月〜11月に運行される有料特急列車です。宇奈月温泉を後にした「アルペン特急」は、黒部川に沿って山の中を下っていきます。
扇状地が開けてくると北陸新幹線と黒部宇奈月温泉駅で交差。
蜃気楼で知られる魚津市やホタルイカ漁で知られる滑川市を駆け抜け、右車窓には田園の向こうに富山湾が広がるさまも見ることができます。
左車窓には3000m級の峰が連なる立山連峰が屏風のように連なり、その圧倒的なスケールに圧倒されることでしょう。
上市駅では進行方向が変わり、「アルペン特急」は立山線に入っていきます。富山平野をしばらく走り、岩峅寺駅付近からは、常願寺川の谷間を駆け上って終点の立山駅に到着します。
宇奈月温泉〜立山の所要時間は約1時間半です。
富山地鉄の観光列車「アルプスエクスプレス」DATA
(運賃)観光特急列車「アルプスエキスプレス」としての運行の場合
1・3号車:乗車券+特急料金/2号車:乗車券+特急料金+座席指定券220円(座席指定券は大人・子供同一金額)
※特急料金:電鉄富山〜宇奈月温泉(大人210円 / 小人110円)電鉄富山駅〜立山駅(大人210円 / 小人110円)、宇奈月温泉駅〜立山駅(大人210円 / 小人110円)それ以外の特急停車駅(大人110円 / 小人60円)
(列車時刻表)富山地鉄の列車時刻表・路線図はこちら
(アルペン特急の停車駅)
宇奈月温泉駅、新黒部駅、電鉄黒部駅、新魚津駅、電鉄魚津駅、中滑川駅、上市駅、寺田駅、立山駅