▲JR博多南線では「ひかりレールスター」など新幹線車両が活躍中
新幹線といえば、速いけど料金が高いというイメージがあるかもしれません。そんな新幹線ですが、全国になんと300円で新幹線車両に乗れるJRの路線があることをご存知でしょうか?
それは、博多駅と博多南駅を結ぶ「JR博多南線」です。
終点の博多南駅は山陽新幹線の博多駅から8.5q地点にあり、新幹線の車両基地「博多総合車両所」に隣接する形で駅舎が設けられています。
JR博多南線の乗車するには、自由席利用で大人片道300円(乗車券200円+特急料金100円)のみ。そもそもなぜ新幹線車両が走る8.5qのみの路線が生まれたのかというと、それは昭和50年代にさかのぼります。
「夢の超特急」として新幹線が登場した時代、博多駅で営業を終えた列車はそのまま「博多総合車両所」へ回送されていました。
そんな時代、日本は高度成長期で「博多総合車両所」の周辺も急速に宅地開発が進んでいました。しかし、鉄道網がなく福岡市内へのアクセスが不便でした。そこで住民がJRに回送列車に乗せてくれないかと交渉。
その交渉が実を結び、かつての回送線はJR博多南線として営業がスタートしました。
現在のJRは博多南線は新幹線車両とはいえたった300円で乗車できるということから、サラリーマン・OLだけでなく、高校生たちの通学の足としての利用度も多いのが特徴です。
▲博多南線の出発時間を案内する博多駅の電光掲示板
博多駅のホームには、東京・新大阪方面へは新幹線「のぞみ」「ひかり」「こだま」「みずほ」「さくら」が、鹿児島中央・熊本方面へ向かう「みずほ」「さくら」「つばめ」が頻繁に発着しています。
そんな日本の大動脈ともいえる新幹線のターミナル駅の一角から、博多南線の列車は1時間に1本ほどのペースで発車します。博多行の「のぞみ」「ひかり」「こだま」「つばめ」の一部列車が、乗客を降ろした後、そのまま博多南行になります。
使われている車両は「700系ひかりレールスター」など。自由席車両は2+3列の座席配置。シートピッチは1060oとさすが新幹線車両なだけにゆったりしています。
▲JR博多南線でも活躍中の新幹線ひかりレールスター用車両の座席
JR博多南線内の最高速度は120q/時。高層ビルが並ぶ博多駅周辺のまちなみから郊外の風景へと変わっていき、車窓風景を楽しみ間もなく約8分で終点の博多南駅に到着します。
博多南駅ホームからは新幹線車両がずらりと並ぶ新幹線車両基地を一望することもできます。新幹線に少し乗ってみたいという人も往復600円(自由席利用)で新幹線車両の乗り心地を味わえるのでお勧めですよ。
<JR博多南線DATA>
(料金)博多〜博多南間は大人片道300円(乗車券200円+特急料金100円)
(列車時刻表)新幹線博多南線の列車時刻表はこちら
(停車駅)博多駅、博多南駅(所要時間8分)