49087.jpg

西九州新幹線(武雄温泉駅〜長崎駅)が開業してから1ヶ月が経過しました。そこのことにより、博多から長崎までの所要時間は約30分短縮され、長崎駅をはじめ沿線はひときわ観光客たちでにぎわいを見せています。その一方で、新たな問題も浮上しています。問題について、以下の3点について述べたいと思います。

@行き先の表示が分かりにくい

博多駅から長崎駅に向かう場合、特急リレーかもめに博多駅から武雄温泉駅まで乗車し、西九州新幹線かもめに対面乗り換えをして長崎駅へ向かいます。しかし、そこで「分かりにくい」という声が多い問題点があります。それは、特急リレーかもめの行き先表示が「長崎行」となっていることです。

「長崎行」となっていたら、終点は長崎駅であるように考えがちです。しかし、実際は武雄温泉駅で列車を降り、西九州新幹線かもめに対面乗り換えをする流れになります。それを認識するのは、初めて乗車する方にとって難しいと感じます。

上り列車も同じくで、長崎駅から出発する西九州新幹線かもめの行き先表示は武雄温泉行ではなく「博多行」となっています。「博多駅まで時間もかかりそうだし、ひと寝入りするか」と安易に考えてたら23分後に武雄温泉駅で車掌さんからたたき起こされることになるわけです。

「分かりにくい」と指摘されないようJR九州はどのように武雄温泉駅での乗り換えを乗客に浸透させていくのかが課題といえそうです。今後はインバウンドによる外国人観光客の乗車も増えていくでしょうから、「分かりやすさ」を追求するのは必須ともいえるでしょう。

なお、武雄温泉駅での対面乗り換えについて、特急リレーかもめと西九州新幹線かもめで乗車する号車をあらかじめ考えておかなければ、武雄温泉駅のホーム(または車内)を何両も歩くことになってしまうのも難しいところ。特急リレーかもめは列車によって両数が異なっているので、その点、対面乗り換えを、どのように考えれば最小限の労力で済ませるかノウハウの周知も課題といえそうです。

A列車名が分かりにくい

特急リレーかもめ」という列車名についてですが、それ単独の列車名だけならまだよいのですが、「特急ハウステンボス(リレーかもめ)」、「特急みどり(リレーかもめ)」といった列車も存在します。「え?ハウステンボスにかもめ?一体、何の電車なのかさっぱり分からないよー!」という声が聞こえてきそうです。

「特急ハウステンボス(リレーかもめ)」は、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめと対面乗り換えをできる新幹線ホームに入線し、その後は、ハウステンボスに向かう列車です。

要は、「リレーかもめ」という文字が列車名に入っていたら、西九州新幹線かもめと対面乗り換えできるという意味なのです。ただ、それは知らなければ、混乱しまうのはもはや仕方がないと思います。こちらについても、どのように周知していくかが課題となりそうです。

B在来線の特急列車が激減した地域も

嬉野温泉駅では91年ぶりに鉄道が乗り入れたことで観光客が増加して喜びの声が上がっています。また、長崎駅も盛り上がっており、観光客が増加による経済効果が早くもあらわれはじめています。その一方で、西九州新幹線の開通によって在来線の特急列車が激減した地域もあります

例えば、佐賀県の肥前鹿島駅では、在来線の特急列車が3分の1程度にまで激減してしまいました。その影響で、佐賀県から博多方面へ在来線の特急列車で通勤していた人々が不便になったとの指摘が少なくないようです。JR九州はその救済措置として特急かささぎを新設するなどおこなっていますが、もし、まだ十分でないならば、在来線沿線の住民たちの利便性をどう確保していくかも課題となりそうです。

なお、乗り換え駅のなっている武雄温泉駅ですが、当初予想されていたほどに途中下車する観光客がいないという問題も指摘されています。それは温泉街が駅が離れていることなどいくつか理由があります。武雄市にとっては、どのように温泉の魅力をPRして観光客に途中下車をしてもらうのかが課題になるといえそうです。

(まとめ)
西九州新幹線の開業によって沿線は一定のにぎわいが見られます。一方で、在来線の沿線では特急列車が激減した地域もあります。また、特急リレーかもめについては列車名および行き先表示、西九州新幹線かもめについては行き先表示が分かりにくいという指摘も少なくありません。武雄温泉駅での乗り換えの流れなど、どのように分かりやすく観光客たちに伝えていくのか今後の課題といえそうです。

スポンサーリンク

JR特急列車に乗車する場合、みどりの窓口などで事前に座席指定券を予約しておくと便利。