▲武雄温泉駅に停車する西九州新幹線かもめ
2022年9月23日に長崎駅〜武雄温泉駅間に開通した西九州新幹線。武雄温泉駅で特急リレーかもめと対面乗り換えをするスタイルも徐々に日常化してきました。
ただ、西九州新幹線かもめを利用した旅行や出張で列車の乗り継ぎをおこなうとき、各駅でのきっぷの使い方については、さまざまな意見が飛び交っている状況があります。
何が正しいのか間違っているのか、はっきりとしない現状。そこで、それをはっきりさせる意味でも、今回、JR九州案内センターのご協力のもと、「西九州新幹線にまつわるきっぷの使い方」を整理をしてみました。
(西九州新幹線にまつわるきっぷの使い方で意見が割れる理由)
そもそも、どうして、西九州新幹線にまつわるきっぷの使い方について、人によって意見が分かれるのかというと、それは武雄温泉駅での特殊な乗り換えのスタイル(対面乗り換え)にあります。
一般的に、新幹線が発着するホームと在来線が発着するホームは分かれており、それを行き来するには、改札口を通らなくてはなりません。
しかし、武雄温泉駅は違っています。特急リレーかもめは在来線の特急列車でありながら、例外的に、新幹線の構内にあるホームを発着する構造になっているのです。
▲博多駅に停車する特急リレーかもめ
新幹線に乗車するときは乗車券と新幹線特急券の2枚を重ねて入れて入場し、下車する駅ではその2枚を重ねて入れて改札外に出ます。その構造と、新幹線、在来線特急の特急券の使い方の微妙な違いが、意見が割れる原因となっているのです。
例えば、西九州新幹線かもめの特急券については、「出発駅のみ1回だけ通せばいいのか?」「いやいや、通さなくてもいいんじゃないのか?」「いやいや、新幹線だし2回通すべきでは?」みたいな議論が起きるわけです。
また、特急リレーかもめの特急券についても、改札機に通す場面はあるのか?それとも全くないのか?というのも人によって意見が分かれます。
そこで、JR九州案内センターにご協力のもと、西九州新幹線を利用した「きっぷの使い方」を中心にヒアリングをおこない、その回答を文章にまとめてみました。
想定としては、長崎駅を西九州新幹線かもめで出発。武雄温泉駅で特急リレーかもめに乗り換えて博多駅へ。博多駅では「新幹線のりかえ口」から山陽新幹線のぞみに乗り換えて新大阪へ。そして、新大阪駅からは全く同じルートで長崎駅に帰ってくるというルートです。
<往路のきっぷの使い方:長崎駅〜博多駅〜新大阪駅>
【往路】長崎駅=(西九州新幹線かもめ)=武雄温泉駅=(特急リレーかもめ)=博多駅=(山陽新幹線のぞみ)=新大阪駅
Q:西九州新幹線かもめを利用した旅行で、切符の使い方や枚数についておうかがいしたいのですがよろしいでしょうか?
A:はい。いかがされましたか?
Q:長崎駅で、西九州新幹線、特急リレーかもめ、山陽新幹線のきっぷを「みどりの窓口」で購入して、長崎駅〜新大阪駅まで移動する場合なのですが、きっぷは何枚発行されるのですか?
A:きっぷは3枚発行されます。
Q:4枚ではなく、3枚ですか!?内訳を教えていただけますか?
A:はい。発行されるのは3枚となっております。1枚目は、長崎駅〜新大阪駅での乗車券です。2枚目は、西九州新幹線かもめと特急リレーかもめがセットになった特急券、3枚目は山陽新幹線の特急券となっております。
Q:西九州新幹線かもめの特急券と特急リレーかもめの特急券は2枚に分かれているのではなく、1枚なのですか?
A:さようでございます。通しの特急券となっておりまして、1枚にまとめられております。
Q:なるほど。では、長崎駅では自動改札機にどのきっぷを通せばいいのですか?
A:長崎駅では、自動改札機に2枚のきっぷ(「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」、「乗車券」)を重ねて入れていただきご入場いただきます。
Q:なるほど。で、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめから特急リレーかもめに対面乗り換えをして、博多駅まで移動すると。それから山陽新幹線のぞみに乗り換えるときは、どのようにきっぷを使えばいいのですか?
A:博多駅では「新幹線のりかえ口」改札に向かっていただき、そこから山陽新幹線にお乗換いただきます。
Q:はい。
A:「新幹線のりかえ口」の自動自動改札機には3枚のきっぷ(「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」、「山陽新幹線の特急券」、「乗車券」)を重ねて入れていただきます。すると、「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」が回収され、お手元には2枚のきっぷが返ってきます。
Q:なるほど。で、山陽新幹線で新大阪駅に移動した後はどのようにすればよいですか?
A:新大阪駅に到着されましたら、改札口の自動改札機に2枚のきっぷ(「山陽新幹線の特急券」、「乗車券」)重ねて入れて改札外に出ていただくことになります。
▲新幹線のぞみ
【復路】新大阪駅=(山陽新幹線)=博多駅=(特急リレーかもめ)=武雄温泉駅=(西九州新幹線)=長崎駅
Q:では、次に、復路についてもおうかがいさせていただきます。同じルートで新大阪〜長崎まで移動する場合です。
A:はい。
Q:まず、新大阪駅の「みどりの窓口」できっぷを購入した場合、きっぷは何枚発行されるのですか?
A:きっぷは3枚発行されます。内訳は、「山陽新幹線の特急券」、「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」、「新大阪駅〜長崎駅の乗車券」でございます。
Q:なるほど。では、新大阪駅の自動改札機にはどのきっぷを通せばいいのですか?
A:新大阪駅の自動改札機には、2枚のきっぷ(「山陽新幹線の特急券」、「乗車券」)を重ねて入れていただきご入場いただきます。
Q:なるほど。で、博多駅まで山陽新幹線で移動して、次は特急リレーかもめに乗り換えとなります。「JR線のりかえ口」改札の自動改札機にはどのきっぷを通せばいいのですか?
A:博多駅の「JR線のりかえ口」改札では、自動改札機に3枚のきっぷ(「山陽新幹線の特急券」、「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」、「乗車券」)を重ねて入れていただきます。すると、「山陽新幹線の特急券」が回収され、お手元には2枚のきっぷが返ってくることになります。
Q:なるほど。で、博多駅から特急リレーかもめに乗って武雄温泉駅に移動して西九州新幹線かもめに対面乗り換え。それから長崎駅に移動します。長崎駅の自動改札機にはどのきっぷを入れればいいのですか?
A:長崎駅の改札では2枚のきっぷ(「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」、「乗車券」)を自動改札機に重ねてお入れいただき改札外に出ていただくことになります。
Q:よく分かりました。ありがとうございます。
A:ありがとうございました。
(ヒアリングは以上)
▲長崎駅に停車する西九州新幹線かもめ
<まとめ>
以上、まとめると次のようになります。
※(凡例)
A「新幹線かもめ+リレーかもめの特急券」
B「山陽新幹線の特急券」
C「乗車券(長崎〜新大阪)」
(往路)
長崎〜新大阪を西九州新幹線かもめ、特急リレーかもめ、山陽新幹線で移動するとき、長崎駅「みどりの窓口」ではきっぷが3枚(A・B・C)発行される。
長崎駅の自動改札機にはそのうちの2枚(A・C)を重ねて入れて入場。武雄温泉駅で西九州新幹線かもめから特急リレーかもめに対面乗り換えをして博多駅へ。
博多駅の「新幹線のりかえ口」自動改札機には3枚(A・B・C)のきっぷを重ねて入れる。すると、手元に2枚のきっぷ(B・C)が戻ってくる。山陽新幹線のぞみで新大阪駅まで移動し、新大阪駅の改札機に2枚(B・C)を重ねて入れて改札外に出る。
▲西九州新幹線かもめの車内
(復路)
新大阪駅「みどりの窓口」で、新大阪駅〜長崎駅のきっぷを購入したとき、きっぷは3枚(A・B・C)発行される。新大阪駅の自動改札機には2枚(B・C)を重ねて入れて入場。山陽新幹線のぞみで博多駅に移動する。
博多駅の「JR線のりかえ口」自動改札機には3枚(A・B・C)のきっぷを重ねて入れる。すると、手元に2枚のきっぷ(A・C)が戻ってくる。
博多駅〜武雄温泉駅は特急リレーかもめで移動し、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめに対面乗り換えをして長崎駅へ。長崎駅の改札機に2枚(A・C)を重ねて入れて改札外に出る。